提督の麻雀教室・その3
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まさかまさかの麻雀初心者が役満和了り。その運も大した物だ。
「えぇ!?じゃあ私が1発で負けちゃったの!?何それ、戦艦の直撃喰らうよりショックかも……。」
オイオイ、そういう不吉な話は勘弁してくれ。そんなこんなで那珂と川内の初の麻雀は幕を閉じ、二人は麻雀にドはまりしてしまった、というワケだ。それから数年が経つが、未だに麻雀熱は冷めやらないどころか、最近では漫画やアニメの影響か徐々に麻雀に興味を持つ艦娘が増えているらしい。
「さぁ、もう半荘行くよ!」
眼がギラギラとたぎった状態の川内が牌を卓の中にガラガラと落とす。全自動卓は積むのが無いから楽で良いよな。そしてふと、気になったので隣に着席していた由良に訊ねてみた。
「なぁ由良、実はあの時お前も和了ってたんじゃないのか?」
「? いつの事?」
「那珂と川内に初めて麻雀教えたあの時だよ。」
「……あぁ、あの時ね。」
そう言うと由良はクスリと笑って此方にグラスを渡してきた。
「別に良いじゃない?那珂ちゃんの役満和了りで決着付いたんだし。…それに、弱ってる相手を叩いてもつまらないでしょ?」
キール・ロワイヤルお願いしますね、と言いながら此方にそう言って笑顔を向けてくる由良。やれやれ、こういう手合いが一番手強いんだよな。俺はカウンターに立ち、キール・ロワイヤルに使うスパークリングワインとクレーム・ド・カシスを仕度しながら苦笑いした。
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