提督の麻雀教室・その2
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。ここは和了りを狙いつつ、打ち方を探るか。俺が手牌の中で浮いていた二索を切った瞬間、
「チー!」
と元気な声が飛ぶ。鳴いたのは那珂……二・三・四索の順子を作らせてしまった。由良にばかり気をとられていたが、他の二人も警戒すべきだったか。しかしまだ一巡目だからな、そこまで警戒するほどでもないか?もう一巡してきて再び俺のツモ番。
『ツモは四萬か。揃ってはいないが順子を作る可能性も考慮して、残しておくか。』
そう考えながら俺は一索を切った。今度は誰も動かない。
時は進んで7巡目。その後も那珂が六索をポンしてくれたお陰でツモが増え、どうにかテンパイまで持ち込んだ。
『断ヤオ・三暗刻テンパイか。裏ドラ次第でハネ満まで伸びるか?待ちは四萬、七筒待ち。……やるか!』
俺は浮いていた初牌(ションパイ)の東を切ると、
「通らば……リーチだ!」
「カン。」
俺のリーチ宣言に被せるように、親の由良が東をカン。やっちまった。コレで由良は二翻確定、そして恐らくだが、テンパイしただろう。そしてカンドラは……七萬!これは俺に味方したか。無いとは思うが、この王牌(ワンパイ。カンした際にツモる牌)からのツモで和了れば点数が幾つになる事やら。ゾッとするぜ。
「領上開花は……まぁ、出来ませんよね。」
舌を軽くペロッと出して、はにかみ笑いをする由良。良かったぁ〜、流れは完全に持ってかれたと思ったからもしや、とは思ったが。流石にどこぞの超次元麻雀マンガのようにはいかんか。そして由良は今しがたツモった牌を手牌に加え、手出しで發を切った。瞬間、
「ポン!」
ここでまさかの那珂からポンの声がかかる。コレで那珂はドラ3ゲット。……というより、この鳴きを見る限りまさかとは思うが……
『まさか、緑一色狙いか?』
緑一色(リュウイーソー)とは読んで字の如く、索子の二・三・四・六・八と發を使って4面子1雀頭を組み立てる役だ。鳴こうがメンゼンだろうが構わない。和了れば役満の大きな手だ。由良も気付いたらしい。しかも次のツモ順は俺。おいおい、勘弁してくれよ……。
「南無三っ!」
そう言いながらツモった牌を見ると…八索。那珂のド本命、超危険牌。しかも俺はリーチ掛けてるから切るしかない。あれ?これ詰んでる?
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