ガンダムW
1541話
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たれたい」
「アクセル」
綾子が処置なしと言わんばかりに溜息を吐く。
いや、別にこれはノインを口説こうとか、そういうつもりじゃないんだが。
綾子も当然その辺は分かってるんだろうが……それでも、思わずそう呟きたくなる気持ちは分からないではない。
恋人が10人を超えている時点でそんな風に思われても仕方がないし。
ともあれ、綾子の呆れたような視線を受けながらも、ノインへと視線を向ける。
副官として、友人としてノインを大事にしているゼクスだ。……女としてのノインをどう思っているのかは分からないが。
ともあれ、俺が暗に言ったノインを差し出せば秘密を教えてやろうという言葉に、頷くとは思えない。
そして事実、ノインが何か行動を起こす前にゼクスは口を開く。
「いや、人の秘密を探るというのはあまり良くない行為だったな。この辺で止めておこう」
ゼクスを深く愛するノインは、それこそ自分が俺に抱かれる事でそれがゼクスの利益になるのであれば、そのくらいは平気でやってもおかしくはない。
だが、生憎とゼクスにはそこまでする気はなかった、と。
……実はここでノインに抱かれてもいいと言われれば、恐らく困っていただろう。
そう考えれば、寧ろ今回の件は助かったと言ってもいい。
義務感や仕事としてそういう行為をするというのは、正直なところこっちとしても面白くはないし。
「そうか、そう言って貰えると助かる。……なら、トールギスの件はこれでいいな?」
「……いえ、それとこれとは話が別。ただし、ここで無理にトールギスを譲り受けようとは、こちらも思わない。だが上の方に話を通して貰うつもりだ」
上、か。……ノベンタは俺を重要な戦力として考えているし、セプテムも俺を気にくわないと思っていても、それ以上にOZを気にくわないと思っている。
気にくわない度合いで言えば俺達もスペシャルズもそう変わらないのだろうが、俺達は何だかんだとノベンタの直属の部隊だ。つまり、連合軍の指揮下にあると言ってもいい。
だが、スペシャルズはOZやロームフェラ財団の力もあって、戦場での独自行動も許されている。
そんな状況でどちらに味方するのかと言われれば、考えるまでもないだろう。
ましてや、俺は今回トーラスを大量に入手するという手柄をセプテムに立てさせているのだから。
……綾子の分のトーラスを得ようとして考えた策だったが、予想外のところでこっちの利益になっているな。
「ま、頑張ってくれ。そっちも今は連合軍と敵対する訳にはいかないんだろ?」
ピタリ、と。
俺のその一言でゼクスとノインは一瞬だが動きを止める。
だがそれでも見事なところは、内心の動揺を表に出していないという事か。
その辺は見事……と言ってもいいだろう
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