610部分:第八十七話 再び古都へその七
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第八十七話 再び古都へその七
「どちらとも言えないものがあるな」
「いや、そうではない」
「それは大きな間違いだ」
だがここでアイオロスとサガが出て来て彼等に告げるのであった。二人は彼等の話を聞いていてここで出て来たというわけである。
「力も心も同じだけ必要だ」
「だが最も重要なものはだ」
それを言うのである。
「我等は何だ」
「まずそれを問おう」
二人はそこから話すのであった。
「我等は一体何か」
「言ってみるのだ」
「それは言うまでもないこと」
応えたのはアルデバランであった。まずは彼だった。
「アテナの聖闘士」
「そうだ、それはだ」
「言うまでもない」
「それが何か」
「そうだ、それなのだ」
アイオロスは彼等の言葉を聞いて満足そうに頷いてから述べるのだった。幸い今は周りに誰もいない。だからこそ話せる内容でもあるのだ。
「アテナの聖闘士だ。人々と世界を守るな」
「それはわかっているな」
「ったりめえだな」
デスマスクはわざと偽悪的に述べた。
「間違ってもアーレスとかハーデスとかとは違うぜ」
「アーレスの正義とはです」
ムウは眉をひそめさせてそれについて話す。
「破壊と殺戮です。そこに平穏はありません」
「そこでは弱い者は死んでいくだけだ」
シュラも言い捨てる。
「それは力ではない」
「その通りだな。力は確かに必要だが」
カミュも言う。
「冷静さも何もない。あるのは狂乱だけだ」
「美もありません」
アフロディーテはその点を指摘した。
「それでは何もないのと同じです」
「それならばいい」
サガは彼等のその言葉を聞いて彼も満足気に頷いた。
「それならばだ」
「それではだ」
アイオロスが声をかけてきた。
「いいか、ローマに入るぞ」
「いよいよか」
アイオリアの声が引き締まった。
「この地での戦いか」
「まずは色々と調べる必要があるな」
ミロが言った。
「最初はそれからだな」
「とりあえずはだ」
「空港を出る」
またアイオロスとサガが告げてきた。
「そうするとしよう」
「今からだ」
「はい、それでは」
二人の言葉にムウがいつもの微笑みで応えて言う。
「行くとしましょう」
こうしてまずは空港を出る彼等であった。ローマでの戦いがはじまるのだった。
第八十七話 完
2010・1・17
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