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フロンティアを駆け抜けて
約束の証明
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「それが、お父様の言葉……」
「……ってね。彼は事実としてチャンピオンになり、今もまだ防衛している。彼に憧れる人は多く、だからこそ様々なバトルを楽しむ最先端の遊技場、バトルフロンティアが誕生した。そして彼の遺伝子と志を受け継ぐ君は、こうして僕の伝説を次々に打倒している。」
「そうだったんだ。やっぱり、お父様は凄いね」
「君もだよ。勿論君を育てたお母さんもだ。……さて、勝負に戻ろうか。約束の証明は済んだ。勝っても負けても、一生忘れないバトルになる。……最高の気分だよ」
「私が勝つわ。こんな話を聞いて、負けられるわけがないもの」

 ジャックはモンスターボールを二つ取り出した。中からは岩のヒトガタと氷のヒトガタが現れた。バトルは3対3。後使えるのは一体だけ。しかしジェムは疑問を感じなかった。

「今から見せるポケモンこそ、僕が持つ最強の伝説。――さあ行くよ!レジアイス、レジスチル、レジロック!」

 ジャックの体が、青、赤、緑の三色の光を放つ。彼は瞳を閉じて、ジェムの聞いたことのない呪文を唱えだした。ジェムはそれを、固唾を飲んで見ている。
 
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 レジアイスの身体が、氷が解けるように蒼色の光に交じって消える。

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 倒れたレジスチルが、溶かした金属が流し込まれるように赤い光となって消える。

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 残ったレジロックは、大岩が気の遠くなる時間を重ねて苔むすように、緑の光となって消える。だが3体はいなくなったわけではない。ジャックの後ろで光になったまま、伝説の存在感を放っている。

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