約束の証明
[6/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
り、両親にとって大事な人だ。
「果たしてそうかしら?」
「えっ?」
だからジェムは啖呵を切った。ジャックに心の底から笑ってほしいから。ジェムの父親がそうであったように、笑わせてあげたいから。
「まだまだ、お楽しみはこれからよ!クー、ありったけの力で『冷凍ビーム』!!」
クチートが両顎から一気に冷気を放つ。さっきのスイクンのそれに比べれば弱いが、今までずっと耐えながら力を溜めていた分、持続時間は長い。レジスチルを包む炎は鎮火し、冷えていく。
「炎を消せば、クチートに大ダメージは与えられないと思ったかな?姑息な手を使うね」
冷気の放出が止まり、クチートが揃えて前に突き出していた顎が両房に別れる。確かにクチートに与えられるダメージは減るかもしれないが、度重なる『メタルクロー』によって攻撃力は相当上昇している。
「ふふ……自分のポケモンを良く見てみなさい!」
自信満々のジェム。ジャックはレジスチルの体を注視したが、鋼の体は周りが凍り付いているものの大きなダメージを受けたとは思えない。『ドわすれ』によって上がった防御能力は、『冷凍ビーム』にも有効だ。
「金属は熱くなると柔らかくなる。だったら冷やせば固くなるのよね?もうその腕は自由に操れない!クー、『噛み砕く』!」
「しまった……!」
レジスチルの金属は無限に存在するわけではない。伸ばせば、腕は細くなる。クチートの両顎が、レジスチルの細腕を噛み砕き、先の両爪がゴトリと音を立てて落ちた。いくら能力が上がっていても、細い棒の中間を万力以上の力で潰されればひとたまりもない。
「まさか最初から、これを狙って……?」
「確信はなかったけどね。上手く凍らせられれば勝ち目があるかなってくらいだったんだけど、流石ジャックさん。いいことを教えてくれたわ!」
「まったく、君ってやつは……」
「どんなに能力が高くても、技が出せなくなれば勝ち……これがお父様とジャックさんに倣って見つけた私の答えよ!クー、『十万ボルト』!」
再びクチートが顎を揃え、今度は大きな電撃を放ち続ける。一発は大したダメージにはならないが、両腕を失ったレジスチルはただの的だ。時間をかけても倒せるのであれば問題はない。
ジェムの父親は、『影分身』や『怨み』を駆使してレジスチルを行動不能に追い込み、ジェムは腕を破壊することで実質行動の選択肢を奪った。
「すごいね、君は。僕の予想なんて、いつの間にか駆け抜けて追い越してしまう」
「まだ勝負は終わってないわ。まだまだ追いつけてすらない。だからもっと楽しみましょう!」
「――もちろんそのつもりだし、レジスチルの技は腕だけじゃない!『ラスターカノン』!」
「こっちも『ラスターカノン』!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ