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とある科学の裏側世界(リバースワールド)
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ep.031 神薙と神薙
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はそれだけだった。
仁の兄が死んでいるなら、兄が自分じゃないことは確かなのだろう。
それでも悠持が仁に言った言葉はこうだった。

「じゃあ、俺がお前の兄になっても良いか?」

「どういうことですか?」

仁は悠持の質問に質問で返す。
それほど衝撃的な質問なのだ。
しかし、仁にそれを否定する意味もなかった。
それに仁も心の何処かで兄の死を否定しているのだ。

「じゃあ、俺がアナタの弟ですね。」

仁の返答に悠持は微笑み、右手を出した。
仁もそれを察して左手を出す。
2人は力強く握手をした。

『コイツは今から俺の弟だ。 だからどんなことがあっても俺はコイツの味方になる。』

「安心しろ。」

「??」

悠持の台詞に仁はイマイチピンとこなかったが、悠持の中では確かに強い決意が固まった。
そして、未開封のココアの缶を開けるとそれを一気飲みし、缶を置いた。

「そのためにもまずは、お前の佳奈(お姫様)を助け出さないとな。」

悠持の一言に仁は赤面しながら応答する。

「べっ.....別にお姫様とかそんなのないですよ!」

悠持はその返しが面白くて笑う。
いつしか仁も不安を感じなくなっているように見えた。
そして、仁の中でも1つの決意ができた。

『この人は俺を支えてくれる。 だから俺もこの人を支えてみせるんだ。 佳奈も待っていてくれ。』

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