初めてのS級クエスト
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「男なんです!!あれでも!!」
「「「「「えぇ!?」」」」」
後ろの方でとんでもなく失礼な会話が繰り広げられているような気がしたが、振り返ることはしない。ここで振り向いたらそれこそあいつらの思うツボな気がするし・・・
「あれかな?」
「あれだよね〜」
村の全貌を見渡せる位置で身を小さくし、草むらから様子を伺っている。しかし、どこにも敵の姿は見えず、静観な景色だけがそこには広がっていた。
「留守かな〜?」
「五人だけだと手薄になりやすいのかもね」
そもそも全員で昼に活動していたら夜に村を奪い返されると考えるはず・・・そうなると、代わり番子に起きて見張りをしていることもあるかも。
「でも誰もいないと情報収集にならないよね」
「寝てても誰かの掛け声で起きるだろうしね〜」
しかし、よく考えてみるとおかしな点が多数ある。なんでたかが五人で村一つを占領しなきゃいけないんだ?金品がほしいなら奪ってすぐに逃げてしまえばいいだけなのに。
(何か他に狙いが・・・!!)
顎に手を当てて考えていると、後ろから人の気配を察知し振り返る。そこには、こちら目掛けて武器を振るう男がいた。
「危ない!!」
「わう〜!!」
セシリーを押し倒しギリギリで攻撃を回避する。頭の真上を通過した武器・・・それが直撃した木は、あまりの衝撃に一瞬のうちに斬り倒された。
「不審者はっけ〜ん。お前ら逃げ・・・」
運悪く見張りをしていたと思われる山賊に見つかってしまい、慌ててその姿を確認する。だが、互いに相手の顔を見て一瞬固まった。
「「「あぁ〜!!」」」
見覚えのある顔に指を指して声をあげる。そいつは以前、アイーアの街で取り逃がした山賊の一人だった。
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