初めてのS級クエスト
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い仕掛けでもあるのかな?」
「100年前の仕掛けじゃそこまでの物はないと思うけど」
現代と古代では当然前者の方が優れているのは言うまでもない。たまに古くから存在するもので驚くほどの技術を見ることがあるけど、それは所詮その当時で考えればという話。今の技術で考えれば攻略できないものなんて存在しないだろう。
「着いた」
この依頼の困難な理由を推測していると、目的地である雪山、霊峰ゾニアへと到着する。
「うわぁ、寒いね」
「そうか?」
体を小刻みに震えさせ、手で自身の体を擦っているラウル。俺は氷の魔導士だから、この程度の寒さでは寒いとは感じない。冷気耐性ってのがあるらしいけど・・・詳しい要因は不明だな。
「それで、どの辺にお宝があるの?」
俺が見ている依頼書を後ろから覗き込み問いをぶつけてくる。
「それも含めて調査するんだってさ」
しかし、その金色の宝玉がある場所はどこにも記載されていない。なぜならここから生還したものがほとんどおらず、唯一帰ってきた人も途中で断念したせいで宝玉の在処を一切知らないらしい。
「もしかして・・・寒くて凍死しちゃったんじゃないの?」
「それはあるかもな」
道がわからず、帰る方向が特定できずに遭難してそのまま凍死、もしくは餓死してしまいクエストを失敗。その可能性は大いにある。
「やばくなったら言えよ」
「レオンもね」
ラウルは凍死、俺は餓死、それぞれに注意していないと万が一が起こりうる可能性もある。ただどっちもわずかに違和感がある時点で言っておかないと手遅れになる可能性が高いので、より注意が必要なわけか。
「パパッと終わらせて帰ろうか」
「終わるといいね」
とりあえずそれらしきところを片っ端から探してみることにした。さてさて、無事に帰ることができるかね。
シリルside
「そういえばシェリア」
「どうしたの?」
カノッコ村を目指して駅から歩き出したんだけど、とあることが気になったので確認してみることにした。
「依頼主は今どこにいるの?」
村は山賊たちに占拠されていると依頼書には書いてあった。だから、助けを求めてきた村の人たちはどこにいるのか、それが気掛かりで仕方ない。
「村の近くの山奥に隠れて暮らしてるんだって。だからそこに一度行ってみようと思うの」
村人たちの居場所もちゃんと把握できているらしい。どれだけの人が無事なのかはわからないけど、とにかく大丈夫ならよかった。
「山賊なら山で暮らしてればいいのに〜」
「山賊のほうが表現しやすいからじゃないの?」
「そうかもですね!!」
山賊とは主に山を拠点に活動する盗賊の
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