18話「犬さんの義勇軍」
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きたてパンとか久しぶりに見た!」
今までどんなひどい扱いを、人間から受けてきたんだ、こいつら。
というか、そんなパンを食べてお腹を壊さなかったのか?
それ以前に、食べ物にそんなものを混ぜる時点で殺意がありすぎるだろう……。
色々と怖くなってきたが、話を進めよう。
「ゴブリンの兵士は一日に400グラム相当の穀物を消費するんだ!
この丸いパンと10個と同じ重さだな!
そして、水は最低でも1リットルは飲むらしい!」
「「サ……?イエッサ……?」」
駄目だ、度量衡が違いすぎて、獣人達が混乱してやがる。
「1リットルは1000グラムなんだ!わかったな!」
「「サぁ……?イエッサぁ……?」」
しまった。1リットルという単位を作ったのもフランス国だ。
僕の常識の範囲内に存在する物理単位は、この異世界では通用しない。
でも、この物理単位は、色んな意味で便利だから、普及を目指そうと思う。うん
「とりあえず、ゴブリンの兵士どもが持てる食料は、数日分以内だと考えろ!
馬車を使えば、もっと大量の食料を運搬できるが、ここらへんは森と山が広がる土地!
馬車はとっても動き辛い!
現地で食料を調達しないと、奴らは飢えて死ぬんだ!」
「サー!イエッサー!」 おお、理解できる内容になったおかげで、獣人達の調子が戻ったぞ。
「だから……お前ら、僕の指示通りに、馬車が通れそうな道という道を潰して、ゴブリンの集落を全部焼き払って、井戸に死体を放り込むんだ。
ゴブリンどもが利用できそうなものは全て燃やせ!
これを専門用語で焦土戦術と言うんだ!」
『これは酷い主人公像』『焦土戦術やる主人公とか絶対いないお……』
「ああ、なるほど。
さすがは主様ですなぁ。
敵軍を徹底的に飢えさせて、ここまで来れないようにする訳ですな?」
今まで僕の隣で黙っていたホワイトが口を開けた。
良かった……変態発言じゃない……まともな内容だ。
「うん、そうだ。
40万なんて酷い大軍を相手する必要はない。
飢えさせて殺すか、進路方向を別に逸らしてやれば、戦わずに勝利を得られるんだ。
お前ら!返事がないぞ!」
「「サー!イエッサー!」 」
「話はこれで一旦終わりだ!じゃ、パンを配るからたべろー!」
「「やったー!サー!イエッサー!」 」
獣人達は、列も並ばずにパンへと殺到した。
全く軍隊らしい気配も何もない、素人集団だと言わざるおえない。
僕は統制を保つために力強く叫ぶ。
「喜び過ぎだろ?並べ!並ばないとパンはなしだ!
整列しろぉー!」
「普段は硬すぎて不味いパンを食べてますからなぁ……。
焼きたてのパンを見たら、こうなるのも仕方ないでしょう」
「え?」
「
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