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幕間 15話「昔の狐娘、犬さんと出会う」
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……弟と、その友達を含めた十人を集めて、私は現場へと戻ってきた。
良かった。猪肉は全部、無事だ。
獣に食い荒らされた後がない。
よし、これを全部持って帰って薫製にしよう!

「お姉ちゃん!目的を忘れているぜ!」

紅い狐耳が似合う弟に言われて、ここに来た理由を思い出した。
そうだ、モッフ君を助けに来たんだった。
……でも、軽く2時間くらい経過しているし、もう、手遅れだよね?
人間達が居た現場に向かっても、死体が転がっているだけのような……?

「うわぁー!人間の死体だぁー!」
「こ、これ領主の息子達だぜ!?」

弟の友達の悲鳴が、木々の遥か先から聞こえた。
たくさんある猪肉を素通りして、現場を確認するなんて凄いよね。
お姉ちゃん、感心しちゃう。生肉美味しいよぉ。久しぶりに腹いっぱいになって幸福を感じちゃう。
一応、気になった私は、肉を齧りながら声の方へと歩いてみた。もう安全っぽいし。
……3分ほど歩くと現場が見えてくる。
十人ほどの人間の死体が転がっていた。モッフ君が手で穴を掘って、証拠隠滅をしようと頑張っている。
モッフ君と視線があった私はニッコリと微笑んだ。そうするとモッフ君も両手を挙げて――

「もっふ!」 元気よく返事を返してきた。

「……えと人間さんの死体を埋めているの?
でも、素手だと効率悪いよね?」

「もっふふ!」

モーニャン「なら、私も手伝うよ!
領主様にばれたら連帯責任で大変だもんね!」

「もっふ!」

「お、お姉ちゃん!?
なんで、こいつの言葉が分かるんだ!?」

弟から無粋なツッコミが入った。私はそれに首を傾げて

「……なんとなく……かな?
とりあえず、皆を集めようよ。
死体を隠さないと大事件だよ?」

「いやいや待とうぜ!
人間の死体を埋めるとか、ばれたら大変だ!」

「モッフルも手伝ってね!」

「全然、人の話を聞いてねぇぇぇぇぇぇぇ!」

「だって、狩猟が上手なんだよ?
美味しい肉を狩れる一歳児って素敵だよね?イノシシの生肉美味しいよ?」

「狩猟したら奴隷にされちゃうだろ!?あと、調理して食べようぜ!」

「……でも、飢えるよりマシだよ?
さぁ!村から穴を掘る道具を持ってきてよ!」

私の命令に、モッフルの赤い狐耳が興奮してピョコピョコ動いた。
そんなモッフルの肩に、モッフ君が小さな右手を載せて同情たっぷりに――

「もっふ……」 

……たぶん、人生諦めが肝心ですよ的な事を言っているんだと思う。
モッフルも、すぐにモッフ君が何を言いたいのか、なんとなく理解しちゃったようで――

「なんでお前のやった殺人を証拠隠滅しないといけないんだよぉぉぉ!
ふざけんなぁぁ
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