608部分:第八十七話 再び古都へその五
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第八十七話 再び古都へその五
「思えばだ。どちらも見事なまでに美しい」
「そういうことですね」
「アフロディーテの薔薇は三つあるな」
アルデバランはアフロディーテが出て来たので彼の三つの薔薇に話を例えてきた。
「どの薔薇も実に美しい。そういうことだ」
「そうだな。どれがいいかとは言えない」
アイオリアも彼の今の言葉に頷いた。
「青い空とオーロラ、どちらもだな」
「そういうことです。それではです」
ムウはこれで完全に話をまとめて一同に告げた。
「折角のイタリアです。ここはです」
「観光か」
「流石にそれは」
苦笑いでアルデバランの言葉に返した。
「まずいかと」
「そうだな。教皇が怒られる」
それは実に容易に察せることであった。ミロが呟く。
「それもかなりな」
「それだよな。別に少し位羽目を外してもいいんじゃねえのか?」
実にデスマスクらしい言葉であった。彼は実際にそう考えていた。
「なあ、ここはよ」
「ですが私達がここに来たのは戦う為です」
「狂闘士達とだ」
アフロディーテとシュラが真面目に彼に返した。
「戦いが終わった後ならともかく」
「流石に今はな」
「やっぱり無理か」
実際のところデスマスクもわかってはいた。わかっていてもそれでも言うところが彼であった。
そうしてだ。ここで彼はまた言うのであった。
「まあイタリアだ」
「貴殿の祖国のな」
「ああ、それだけに色々知ってるぜ」
カミュに応えながらの言葉である。
「食い物には困らない国だからな」
「ほう、それではだ」
それを聞いたアルデバランがすぐにデスマスクに問うてきた。
「パスタだな」
「おう、それとピザに生ハムにワインだ」
デスマスクはすぐにそういったものを出してみせた。それにである。
「ジェラートにティラミスだ。どうだよ」
「流石はイタリアですね」
ムウもそれを聞いて思わず笑顔になっていた。
「美味しいものが多いですね」
「イタリアには美味いものしかないんだよ」
こう断言するデスマスクであった。
「食い物と美人と音楽と明るい気候な。この国には何でもあるぜ」
「ではないのは何だ?」
「節操だ」
ミロに応えての言葉である。
「それはない。あと欠点はな」
「うむ、それは」
「戦争に弱いことだな。まあそれはどうでもいいな」
このことについてはそれで済ませるデスマスクであった。
「イタリアは戦争をやったら負けるがそれでもいつも勝つ方に残っている国だからな」
「どういうことだ?それは」
アイオリアは今のデスマスクの言葉に首を傾げさせた。
「戦争に負けてもいつも勝つ方にいるとは」
「つまりだ。外交ってやつだよ」
デスマスクは笑って言うのであった。
「外交で
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