10話 「領地相続戦争Aー包囲殲滅陣ー」
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ろ……』
『犬さんの戦闘力が過剰すぎて、この小規模の戦だとツッコミ所しかないお……』
叔父達は盾を可能な限り集めて、小規模の密集隊形作って耐えているが全滅は時間の問題だろう。
さようなら叔父さん。
アナタのおかげで、僕の支持率がグングン跳ね上がりそうだ。
獣娘を強姦して殺そうとした事は許せないけど、その点だけは感謝できるよ。
あとはそうだなぁ……僕のレンジャースキルが、この場に異物があると告げている事かな?
視線を感じる。それも侮蔑を込めた強い視線だ。
少し周りを見渡すと――大木の上に立っている黒装束の男を見つけた。
人間の耳だ。獣人ではない。僕の犬耳+レンジャースキルの効果で、遠い場所で響く音を聞き取った。すると――
「くくくっ……!獣人風情が歯向かうとはっ……!
陛下が聞いたら、さぞや怒るであろうなっ……」
誰だ、これ。叔父の手下じゃないのか?
陛下って、この領地が所属している国の王様か?
「子爵など、所詮は幾らでもいる帝国貴族の一人に過ぎぬっ……!
何時か、その事を思い知らせてやろうっ……!くくくくっ……!
その暁には狐娘を愛人にして、可愛がってやろうっ……!」
中二病か……。恐らく、孤独な時間を長く過ごしすぎて独り言が多くなってしまった人間なんだな。
話の内容だけを聞いてみると、陛下とやらの密偵っぽい感じだが、ただの妄想設定かもしれない。
「この情報を持ち帰れば、私は間違いなく恩賞を貰えるっ……!
帝都に家を構えて、良い家のお嫁さんを貰って、安心できる公務員生活が待っているのだっ……!」
とりあえず、密偵だとしても、不審者だとしても、怪しい人間は殺しておこう。
紐を二回転させて、僕は石を解き放つ。
「高い酒を飲み放題っ……!
高級娼婦も抱いてスケベーして、えと、それから――アバブッ!」
男の左足に着弾して、頭を下にして、大木から転げ落ちた。
落ちた際に、骨が折れる音がしたから即死だろう――しかし、なんで大木なんかに登っていたのだろうか?
この地点に、僕たちが布陣する事を知らなかったはずだから、降りようにも降りれなくて、困っていたんだろうなぁ……可哀想な奴。
独り言が多かったのは、恐怖を紛らわせるために、自分で自分を鼓舞していたのだろう。
大木を道具なしで登ったようだから、それなりに手強い強敵だったに違いない。
『公務員生活を味わう前にあの世行き』
『犬さんがマジ鬼畜だお』
戦場で不審な行動を取る奴が悪いんだ。
密偵だったら大変だが、後で地面に埋めておけば何の問題もない。
どうせ……何やっても情報漏れるし……。
『普通の主人公なら、敵の密偵は捕まえて洗脳して利用すると思うお……』
この領地、見た所、かなり貧乏だから財源ないだ
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