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俺の四畳半が最近安らげない件
魔王 〜小さいおじさんシリーズ15
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豪勢はにやりと笑って目を閉じた。
「―――馬鹿息子め。今頃何処にいるのやら」


「DJマキシマムの所にいらっしゃいますよ?」


全員が、がばっと脇息から体を起こして声の方に振り返った。
「は???」
襖の隙間に、間抜けな馬面が覗いていた。
「…兄さん?」
白頭巾が珍しく、間抜けな顔で呟いた。
「マキシマム・フェスが始まったのだ。ちょっと避難させてくれ」
世にも情けない面付きで諸葛瑾が、炬燵によじ登ってきた。この間、俺に頭を下げに来た時よりも数段窶れている。
「何ですかマキシマム・フェスって」
「DJマキシマムがファンキーなライムをマシンガンのように繰り出しながら近所で捕まえてきた蛇やカエルを裂いたり食ったりするクレイジーなフェスだよ。私はもう…ああいうノリは…」

連休初日に何やってんの!?

「うっわ、あいつら順調にヤバくなってるな…」
おいお前が引いてどうする。呉の仲間だろ。何とかしろよ。
「ちょっと待て、借家じゃないのか?蛇とか引き裂いていいのか!?」
そ、そうだよね豪勢。いいとこに気が付いたよ。
「この間大家が『敷金は諦めるから出て行ってくれ』って土下座してきましたよ…」
大家が敷金諦めるの!?
「ていうか何、あのバカ呉の連中と一緒に叫んだり蛇裂いたりしてんの!?」
これは…親としては聞き捨てならねぇだろうな…
「気が合いさえすれば、誰にでも胸襟を開くというのは本当ですな。今頃ご子息はマキシマムと共に楽しく蛇を引き裂いていることでしょう…くっくっく…」
面白シチュエーションの気配を察して白頭巾が俄かに活気づいてきた。
「もうな…こういうとこなんだよ!!分かるだろ、俺が家督を譲るの躊躇った理由が!!あいつも小さい頃から笑顔で猫の首切ったり蛇を縦半分に割っていつまで動いているか観察したり、そんなところがあってだな」
「サイコパスの素質満載じゃないですか」
「…良かったな、シリアルキラーまでいかなくて」
端正はもう、ドン引きを通り越して置物みたいになりつつある。台詞も棒読みだ。
「シリアルキラーだったとしても一国の王だったら許されちゃっただろ!?まぁ、一種の年貢かな?くらいのノリで」
唐突にいつものノリに戻されて困惑していると、白頭巾が諸葛瑾に杯を勧めて座り直し、鰹を焼き始めた。
「そんなにマキシマムがお好きなら、何故こちらもうろついているのでしょうね…」
杯を呷って少し生気が戻ってきた諸葛瑾が、軽く息をついた。
「マキシマム殿とは気が合うが、食い物の好みは合わない。ほれ、曹丕殿は甘党だからなぁ。マキシマム殿は菓子を喰わないから。葡萄酒が飲み放題なのは結構だが、無性に甘いものが喰いたくなるそうだ」
そういやサトウキビでチャンバラする程甘党だとか、何かに書いてあったな。そんなエピ
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