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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
606部分:第八十七話 再び古都へその三

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第八十七話 再び古都へその三

 その彼等がだ。話をするのであった。
「ではシャカよ」
「今は聖域をですね」
「共に守ろう」
 お互いにこう言い合うのだった。
「それでいいな」
「喜んで」
「さて、そしてだ」
 シオンはここまで話を態度を変えてきた。
「いいか、それではだ」
「処女宮に戻りですね」
「守りは頼んだ」
「では」
 こうした話をして別れる二人だった。二人の心は今完全に同じものになっていた。
 そうしてである。ローマでは。今黄金聖闘士の面々が空港にいた。ローマ空港である。
 そのエアポートは左右にかなり広い。その中にスーツ姿の彼等がいる。派手な黄色いスーツを着たデスマスクがここで言うのだった。
「しかしな」
「どうしたのですか?」
「何か懐かしいな」
 こうムウに返すのだった。
「祖国ってのはな」
「前に戻って来られたばかりでもですか」
「ああ、それでもだ」
 またムウに返した。
「やっぱりな。祖国はいい」
「成程」
「落ち着くんだよ。空気が違う」
 彼は満面の笑みになっていた。
「イタリアの空気ってやつだな」
「そうだな。イタリアの空はいい」
 彼の横にいるシュラも言ってきた。
「何処までも透き通る青い空がな」
「そう思うだろ。ドイツはな」
 ふと彼が戦ったドイツの戦場について話す。
「あそこの空はな。どんよりとしているからな」
「北欧は全てそうですが」
 その北欧出身のアフロディーテの言葉である。今は薔薇はスーツの左ポケットにある。その置いている配置が実に映えている。
「どうしても。ですが」
「オーロラだな」
「はい」
 カミュの言葉に応える。
「それがあります」
「あれはいいものだ」
 カミュはオーロラについて静かに述べた。
「まさにこの世での至上の美だ」
「この青い空よりもか」
「上だというのだな」
 デスマスクに同じラテンであるスペイン出身のシュラが加勢していた。
「まあオーロラも奇麗だけれどよ」
「この青い空の素晴らしさはだ」
「どちらも同じではないのか?」
 ことになる前にアルデバランが間に入った。
「というよりはだ」
「というよりは」
「どうだというのです?」
「アルデバランよ、御前さんはよ」
「どちらがいいというのだ?」
「どちらがいいというものではない」
 こうその重厚な声で語るのであった。
「青い空もオーロラもだ」
「オーロラは美しい」
「それに勝るものはありません」
「青い空はアテナの美だぜ」
「それは否定できはしないぞ」
「どちらも比べられるものではない」
 四人に対してまた話すのであった。

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