女将vs大将の味比べ
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か。作るのは《中華風・豚の唐揚げ》。正確に言えば唐揚げという料理は中華には存在せず、一番近い調理法は乾炸(粉をまぶして揚げる)だそうだ。だが今回は、天ぷらやフリッターにも似た「軟炸」風にしようと思う。
《特製・軟炸里脊(豚のフリッター風)》
・豚のヒレ肉
・にんにく
・生姜
・醤油
・塩、胡椒
・卵白
・小麦粉
・片栗粉
・果実酒(何を漬け込んだ物かは、お楽しみ)
まずは豚ヒレ肉。塊を厚めに切ったら食べやすい大きさにカット。次に下味を付けるんだが、ここで果実酒が登場。下味を付けるのに果実酒を使ってその香りを肉に移そうってワケだ。果実酒とすりおろしたらにんにくと生姜、それに塩と胡椒をまぶしてよく揉み込む。実はこれ、漫画の『MASTER キートン』の作中に出てきた豚の唐揚げを再現しようと作ったメニューなんだよな。作中では香り付けにウイスキーを使うという特徴以外の描写が無かったモンだから、後は俺の想像と勘で試行錯誤して作ったんだよな。中華風の色を強くしたいなら、ウイスキーを紹興酒にすると本格的な味になる。
お次は衣の準備。卵白を泡立ててメレンゲ状にしたら、ここに醤油。下味に入れると折角の果実酒の香りが消えてしまうからな。更に片栗粉を加えて混ぜる。よく混ざったら小麦粉を加えてゴムベラ等でサックリと混ぜる。混ぜすぎるともたついた衣になってしまうからな。
後は衣をたっぷり付けて揚げるだけなんだが、よくやる二度揚げは今回は無し。二度揚げると香りが飛んでしまうからな。一度でパリッと、しっかり中に火を通しながら揚げる。衣がきつね色になったら油から上げる。油を切ったら皿に盛り付け、パセリを乗せる。小皿に岩塩と黒胡椒を混ぜた物を一緒に盛り付けたら完成。
「はい、《特製・軟炸里脊》だ。……さて、使った果実酒が何か、解るかな?」
鳳翔さんが一口パクリ。サクッという小気味良い音と共に、ヒレ肉特有の赤身肉の旨味を含んだジュースが溢れ出す。
「んっ、……程よい塩加減でとても美味しいです、流石にお酒との相性もバッチリですね。」
一口目の軟炸里脊をカリン酒ロックで流し込んで口の中をリセット。再びかぶり付き、今度は味わうようによく噛んで果実酒の漬け込んでいる物を探しているようだ。
「う〜ん……お酒の香りはブランデー?でしょうか…。」
おっ、流石は鳳翔さん。確かにベースリキュールはブランデー。語源は焼いたワインという意味の蒸留酒だ。その特徴は何と言っても香りにある。蒸留前の原料となる酒の材料でその香りは千差万別。果実酒のベースリキュールはその漬け込む材料の香りを活かすため控えめの香りとはなっているが、ホワイトリカー等に比べれば香りは強いだろう。
「けれど、なんで
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