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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十二話 帰投
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「姉様、敵艦隊単縦陣を取って9時方向から高速で接近中です。距離2万8000!・・・いいえ、2万6000を切りました!!嚮導艦の動きが止まった!?違う、あれは転進しようとしています!!次々と転進してこっちに並走するようです!!!」
讃岐が次々と報告する。やはり敵は同航戦での徹底した決戦を挑んでくる様子だ。そこまで読み取って紀伊は敵の狙いがわかった。こちらの4人の戦艦を沈めてしまえば、たとえ6隻のフラッグシップが全滅しても無傷の重巡、軽巡戦隊をもって残存艦隊を沈められるとみているのだろう。そうであれば、迎撃側としては敵の戦艦を最小限の被害のなかで沈めなくてはならない。
「指揮系統をつぶして敵を混乱させるしかない・・・!!」
紀伊は即座に判断した。
「敵が転進している今がチャンスよ、讃岐、比叡さん、霧島さん!全砲門をもって敵の嚮導艦を全力集中射撃、お願いします!!」
『了解!!』
高速で各隊が動いている。その体に受ける風圧はすさまじいものだった。波しぶきが飛び散る中を砲塔が旋回し、敵に狙いをつける。
「距離2万3000!!有効射程距離です!!諸元入力急げ!!」
「完了!」
「こちらもです!」
「姉様!」
うなずいた紀伊は敵艦隊をにらんだ。
「全主砲、斉射、テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
轟音と共に各砲塔から打ち出された巨弾がまっしぐらに飛んで、敵の嚮導艦に多数命中したが、沈まない。
「流石はフラッグシップ級!!硬い・・・・!!」
紀伊が歯を食いしばった。
「まだいけます!敵が新進路に着くまでが勝負です。もう一度!!紀伊さん!!」
霧島が叫んだ。
「わかりました!!主砲、次弾装填!!第二斉射・・・・用意・・・・!!」
紀伊の左手が振りぬかれた。
「テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
轟音と共に嚮導艦が大爆発し、四散しながら黒煙を上げ沈むのが見えた。だが、後続艦隊の足は止まらない。二番手が撃破された一番手にかわって嚮導艦となり、新進路につき始めた。むろん紀伊たちも全力射撃で応じたが、敵は次々と回頭。新進路に並び、ついに並行戦闘陣形を作り上げた。
「ここまで敵の2番手は中破。3番手は小破にとどまっています。敵の主砲が打ち出される前に何とかしないと!!」
讃岐が慌てた様子で叫ぶ。
「讃岐落ち着きなさい!焦ると外すわよ!もう一度構えて!!」
紀伊がそう言った時、敵艦隊の戦列におびただしい火光がきらめいたのが見えた。
「敵、砲撃を開始!!」
比叡が叫んだとき、ものすごい水柱が襲った。すぐ近くだ。初弾から狭窄だ。
「ここからが勝負です!皆さん、よろしくお願いします!」
紀伊が叫んだ。
「了解です。無理をしても撃って撃って撃ちまくります!」
と、比叡。数で劣る艦娘たちにとっては、この短時間の間に主砲が焼けただれ
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