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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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前進していったのである。そしてこの解放された演奏の裏にある暗号化された極秘指令がフィオーナ艦隊全艦隊のみに届けられていた。それを解読する鍵が――。
その演奏はミュッケンベルガー元帥以下の中央本隊、右翼艦隊、そしてリッテンハイム侯爵艦隊にすら十分届いていた。これには全艦隊のほぼ将兵が呆然として立ち尽くすだけだった。ミュッケンベルガー元帥も、ブラウンシュヴァイク公も、リッテンハイム侯爵でさえ、唖然としながら身動きができなかった。
「小娘が小癪な真似を!!」
「どういうつもりなのか!?」
「気でも狂ったか!?」
ブラウンシュヴァイク公爵とミュッケンベルガー元帥本隊の幕僚たちは口々に言いながらも、その目と耳はフィオーナ艦隊にくぎ付けだった。
「うろたえるな。所詮小娘の小細工だ。そのようなものにかかわりあって戦機を逃す必要などない。」
ミュッケンベルガー元帥だけが苦虫を噛み潰したような顔で幕僚たちを叱った。
「全艦隊、砲撃戦用意。」
重厚な肉厚の手が全艦隊に戦闘指令を下した。
「敵左翼艦隊、接近してきます!距離8500000!なおも接近してきます!敵艦隊の速度秒速50000!距離8450000!敵艦隊の進路変わらず!距離8400000!敵艦隊総数19200!距離8350000!」
敵側の演奏音とともに報告されるオペレーターの声が秒単位で上ずり続けているのをリッテンハイム侯爵は聞いていた。
「ミュッケンベルガーめ、ブラウンシュヴァイクめ、何を考えている!?あの艦隊を餌に差し出そうというのか!?それともこれは・・・罠なのか!?」
リッテンハイム侯爵の頭の中はめまぐるしく回転を続けていた。「撃て!」というのはたやすい。だが、そう命じた瞬間にあの左翼艦隊が弄する策によって自軍が崩壊するのではないか、という何かしら不安な考えが脳裏をよぎっていたのだ。
『叔父上!』
リッテンハイム侯爵の甥の一人のメルサック男爵が通信回線を開いてきた。彼は我慢ならないように声を上げる。
『なぜ砲撃を御命令なさらないのですか?あの姑息な艦隊を血祭りにして、わが軍の勢いを付ければブラウンシュヴァイクごとき、一撃で粉砕できますぞ!』
『そうです!今こそ攻撃命令を!』
『叔父上!』
『閣下!』
一門や貴族連中たちがこぞって声を上げ、味方の軍の将官たちも同調し始める中、一人リッテンハイム侯爵だけが額に汗を流して考えに考えを重ねていた。
『閣下。』
藤色の髪を耳が覆うまで伸ばし、くしゃっとさせたような美男子が画面に現れた。もちろん髪型はヘルメット型ではない。バイエルン候エーバルトである。やや遅れてその隣に映し出された寡黙な短い黒髪の青年はブリュッヘル伯爵であった。
『敵の演奏は見せかけです。そのようなものに何の意味もありません。今です。あの艦隊を討
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