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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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ルグ中将は汗を拭きながら、
「おそらくそうだと思います。しかし我々の砲撃があの艦隊に集中しないことこそ罠だという可能性もあります。」
「こちらの判断をにぶらせようというつもりか、小癪なことをする!!」
ダン!!とリッテンハイム侯爵が拳を椅子に打ち付けた。
「敵艦隊が射程に入り次第各艦隊は攻撃を開始せよ。前方の左翼艦隊の被害は考慮に入れずともよい。」
ミュッケンベルガー元帥は冷徹にそう言った。味方を捨てる!?各艦隊の司令官、指揮官たちは驚愕したかもしれないが、少なくともそれを表立って宇宙艦隊司令長官に言おうとする者はいなかった。傍らにたつフレーゲル男爵はうっすらと笑みを浮かべた。ベルンシュタイン中将の策を橋渡ししたのは他ならぬ彼なのである。ベルンシュタインがフレーゲル男爵を選んだ理由、それはブラウンシュヴァイク公爵では「そのような姑息な手段を取ることなど儂は認めん!!」というに決まっていたからだ。
これで金髪の孺子の手足の一つをもぎとることができる!ベルンシュタインの言った通りだ。今回はアイツの予見が当たった。いずれリッテンハイム侯爵の艦隊があの艦隊に集中砲撃を浴びせる。よしんばそれがなかったとしても、左翼艦隊は回頭し、敵中を横断するだろう。常識を覆す、唖然とする鮮やかな手法を見せつけ、此方が動くことを忘れている間に有利な位置につこうとするだろう。こちらはそれにとらわれず、砲撃を開始すればいいのだ。
戦闘中の事故・・・あの左翼艦隊の小娘の戦死はそう結論付けられるだろう。左翼艦隊の壮烈な犠牲によって、リッテンハイム侯爵艦隊は壊滅、討伐される。賊軍としてギロチンに掛けられるよりも、よほどましな最後というわけだな。フレーゲル男爵はそう冷笑しながら前方を見守っていた。
ミュッケンベルガー元帥め、やはり囮作戦を決行する気なのね、とティアナは内心舌打ちしていたし、フィオーナ艦隊の将兵の中には、自軍だけが突出する様を見て怯え、恐怖にかられる者が続出した。
「どういうことだ!?」
「総司令部は俺たちを見捨てるつもりなのか!?」
「このままじゃ前後からなぶり殺しになる!」
「俺たちはこんなところで、味方殺しの目に遭って死んでいくのか・・・・・。」
「母さん・・・父さん・・・・・。」
兵士たちはそれぞれの持ち場で恐怖に震え、青い顔をしている。ただでさえ新兵は戦場前で怖気づいてしまうというのに、味方からも捨てられ、敵と味方から挟み撃ちをされる危険性に陥ったという更なる恐怖も存在し、発狂寸前の恐慌状態になっている艦もあった。むろんそうした光景は無音の宇宙を進んでいくフィオーナ艦隊を外から見物している敵味方にはわからない。
兵士たちの動揺と恐怖はついに中級指揮官などにも伝染し始めた。
「右翼も中央も出てこないのはどうして!?こ
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