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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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という指令だった。
「前進!?」
この信じられないような指令に、全軍も当のフィオーナ艦隊の将兵も動揺を隠しきれなかった。だが、フィオーナは迷うことなく指令を下す。
「全艦隊、前進してください。」
彼女の澄んだ声が艦橋要員の耳をうった。


* * * * *
リッテンハイム侯艦隊との距離、32光秒!!


そのさなかをフィオーナ艦隊19200隻だけが静かに前進を続けている。この様子はカストロプ星系から進軍してきているラインハルト艦隊全軍に放映され、ブリュンヒルトにも映像として届いていた。実はこれはイルーナとアレーナが相談の上手配したものである。工作艦を数隻戦闘宙域に潜ませ、観戦艦として映像を撮影していたのだ。観戦艦自体は珍しい事ではない。戦争の勝負は貴族たちの賭け事の一つにもなっているくらいである。軍にとっても戦闘映像を収録しておくことで、敵側の戦術、艦隊等の生の情報を分析する機会を得ることができる。
「ミュッケンベルガーめ・・・・」
ブリュンヒルト艦内でラインハルトは忌々しそうに唇をかんだ。今突出して前進を続けているのはフィオーナ艦隊だけであり、他の艦隊はすべて静観の立場をとっているのだ。
「フロイレイン・フィオーナを、フロイレイン・ティアナを、キルヒアイスを、麾下の艦隊を囮にするなど、宇宙艦隊司令長官のやることか!?」
ラインハルト様、と言ってくれる赤毛の相棒も今はあの艦隊の一翼として参加している。ラインハルトはこの時ほど自分の身をもどかしく思ったことはない。大艦隊の司令長官ではなく、一戦隊の指揮官としてでもあそこに行って掩護したい気持ちでいっぱいだったのだ。
「だが、戦場に到着するまで俺にはここでこうしてみていることしかできない・・・・。せめて俺があそこにいれば、必ず加勢したものを・・・。せめて、イルーナ姉上やアレーナ姉上があそこにいてくださったら・・・。」
「大丈夫です。」
ラインハルトが振り返ると、レイン・フェリル少将、そしてアリシアが立っていた。
「フィオーナさんならば、ティアナさんならば、そしてキルヒアイスさんならば、この局面を打開してくれます。きっと。」
静かな、だが確信に満ちた口ぶりにラインハルトは驚いたが、すぐに点頭した。
「そうだな、俺は信じる。」
そういうと、アイスブルーの眼はじっと戦況ディスプレイに注がれたのだった。そうすることで、せめて自分もあの戦場に参加し、無言のエールを送り続けたいというように。



「敵艦隊との距離、およそ31光秒!!」
「敵左翼艦隊前進を続けています!!」
次々と入ってくる状況報告にリッテンハイム侯爵は顔をしかめた。
「どういうことだ!?ミュッケンベルガーの奴め、あの艦隊を囮にでも使うつもりか!?」
リッテンハイム侯爵艦隊の総参謀長のディッテンダ
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