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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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んじゃない?こう言っちゃなんだけれど、ミュッケンベルガー元帥なんかが血管破裂して脳出血になりはしないかって思わないの?」
「まさか、そこまではならないと思うわ。怒るかもしれないけれどそれよりも私たちの艦隊の将兵たちを護る方がずっとずっと大切なことだもの。」
フィオーナはまっすぐに親友を見つめた。
「あえて引用するわ。10人の提督たちの反感も、助けられた数百万人の将兵の命に比べれば、取るに足りないことなのだから。」
ティアナはうなずいた。第四次ティアマト会戦中にキルヒアイスが言った言葉。ラインハルトを突入せしめるきっかけを作った言葉を思い出す。ただ、フィオーナの場合は感謝ではなく命と言い換えていた。
「それこそがあなたらしいと思うわ。」
ティアナは万感を込めて、ただそういっただけだった。
帝国歴486年11月22日標準時午前9時03分――。
ミュッケンベルガー元帥、ブラウンシュヴァイク公は麾下の全軍に対し、一斉に進撃を指令した。これに呼応するかのようにリッテンハイム侯爵側の全軍も横陣形のまま相対するようにして進んできた。リッテンハイム侯爵側は増援艦隊を収容して13万余隻。ブラウンシュヴァイク公爵・ミュッケンベルガー元帥側はフィオーナ艦隊の増援を合わせて19万余隻。両軍合わせて30万隻を超える。広大な宇宙空間をこれだけの大艦隊が進むが、真空の宇宙空間では音一つしないのだった。
『ラヴェルのボレロでも流す?』
と、フィオーナと通信で会話しているティアナが冗談交じりに言いそうになったが、すぐに顔を引き締めた。
『じゃあ、フィオ。予定通りに行うわよ。』
「バーバラは予備隊を指揮。ルグニカ・ウェーゼル准将、ブクステフーデ准将を2先鋒にして次鋒がディッケル准将。そしてあなたがそれをまとめる。前衛艦隊の統括指揮はあなたに任せたわ。お願いね。」
『了解。』
ティアナが通信を切ると今度はフィオーナはキルヒアイスを呼んだ。キルヒアイスがディスプレイ上に現れた。
「キルヒアイス准将、あなたには私が臨時に付属させた麾下の艦隊を率いて臨時戦隊として待機してもらいます。気を見計らってリッテンハイム侯爵の直属艦隊の艦列内部に突入。全軍の崩壊を誘う糸口づくりをあなたに任せます。・・・あの、ごめんなさい。なんだか堅苦しくて変ですよね?」
『いいえ、フロイレイン・フィオーナらしいと思います。わかりました。お任せください。』
キルヒアイスはフィオーナに答えてから、ややしばらく間をおいて、
『感謝します。フロイレイン・フィオーナ。』
と心からそう言った後に通信を切った。キルヒアイスらしいわ、とフィオーナは思った。
『左翼艦隊、前進せよ。』
という指令が下ったのは、午前9時12分の事である。これは前進しつつある全軍に対してさらに先行して前進せよ
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