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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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残り一個戦隊のアースグリム級戦艦が最後の咆哮を上げた。この二回の斉射の効果はてきめんで、リッテンハイム侯爵艦隊は後ろから大奔流に飲み込まれ、次々とその姿を消していったのである。
『フィオ。』
通信がティアナから入った。彼女もまた先ほどの光景を目の当たりにした一人だった。
「ティアナ・・・私は・・・・・。」
震えを帯びた親友に対してティアナは静かに、だが叱咤を含んだ声を浴びせた。
『早い!』
フィオーナは一瞬たじろいだ。
『まだケンプ准将が戦死したと決まったわけじゃないでしょ。悲しむのはまだ早いわよ。それに、戦いはこれからじゃない。あなたは艦隊司令官よ。司令官が意気消沈する姿を見られてみなさいよ、上官が少し気落ちすればその振動は100倍以上になって麾下に伝わるわ。前世から一人の騎士として、そして主席聖将を補佐した総司令官として経験豊富であるあなたに今更こんな基本的なことを言う必要はないと思うけれど。』
ティアナの言葉にフィオーナは顔を上げた。この場合言葉の中身よりもティアナが声をかけてくれたそのこと自体が彼女を沈痛の海から引きずりあげたのである。
「ティアナありがとう・・・・。」
一瞬だけうなずいて見せた親友はすぐにスクリーンから消えた。フィオーナは顔をきっと上げ、全軍に指令を下した。
「全艦隊、突撃!!相対4時方向から10時方向にリッテンハイム侯爵艦隊本隊を突破して一気に突き抜け、ブラウンシュヴァイク公爵とミュッケンベルガー元帥の右側面に展開して敵の勢いを削ぎます!!」
フィオーナは拳を握りしめた。ケンプ准将が戦死したかどうかはティアナの言うようにまだわからない。だがもしそうだとしたらそれは自分のせいだ。だが、まだそれについて思いをはせるわけにはいかない。まだ戦いは終わっていないのだから。
(そう、まだ戦いは終わっていない。そしてだからこそ、ケンプ准将の仇、必ず取って見せる!!)
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