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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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「いえ、閣下。私が不安に思っているのは、あなたの御一門の事です。事ここに至ってこそ、そのような事をお考えになるべきでしょう!!」
ディッテンダルグ中将としてはこれ以上兵士の命云々を言えば、リッテンハイム侯爵が激怒すると思い、敢えて一門を出したのだが、それすらもリッテンハイム侯爵には「火に油を注ぐ」事になってしまった。
「貴様、儂が負けるとそういうのかッ!こざかしい!!」
リッテンハイム侯爵がディッテンダルグ中将の胸ぐらをつかみ、彼を突き飛ばして喚き散らした。
「突撃だッ!!」
艦橋要員たちは呆然として主君を見上げている。
「突撃だ!!突撃だ!!突撃だ!!突撃だ!!突撃だ!!」
リッテンハイム侯爵は狂ったように叫び続けていた。その異様な熱がリッテンハイム侯爵艦隊全軍に波及して巨大な火の玉のごとく熱狂的な突撃が行われ始めたのである。
「勝利は目の前だぞ!!なんの、ブラウンシュヴァイク、ミュッケンベルガーごとき、一撃で粉砕してくれるわ!!前進だッ!!」
リッテンハイム侯爵麾下の本隊4万余隻は狂乱した突撃を敢行した。狂乱する艦隊は秩序も何もあった物ではないが、その勢いだけはすさまじく、ミュッケンベルガー元帥、ブラウンシュヴァイク公爵の本隊前衛艦隊は木の葉のごとく吹き散らされ、たちまちのうちに壊滅の余波が本隊、そして正規艦隊にまで波及していった。


如何に狂乱突撃が尋常ではなかったとはいえ、正規艦隊が簡単に瓦解するわけがない。練度に関していえば貴族たちの私設艦隊と正規艦隊とでは格段に差があるのである。にもかかわらず正規艦隊までもが混乱に陥ったこの原因は、ブラウンシュヴァイク公、ミュッケンベルガー元帥両者の二本立ての指揮系統にあった。


ブラウンシュヴァイク公爵は全軍を指揮するという気構えでいたが、ミュッケンベルガー元帥もまた正規艦隊の司令長官としての立場を崩さなかったため、しばしば両者の間で意見の相違があったのである。これが、両者が蜜月時であればまだそのマイナスは露呈してこないのであるが、両者が先のリッテンハイム侯爵艦隊急襲の際から亀裂を生じさせていたため、その対応の仕方も異なった。つまりは異なる指令が同時に出されていくのであるから、いかに正規艦隊と言えども混乱は避けられない。

「後退して陣形を再編せよ!」
「後退はせず、中央および右翼部隊は敵を2時方向にいなし、側面砲撃を行え!」

などと全く違う指令が出れば、どちらを選べばいいか迷うのは当然の事だった。

 本隊はこの間に損害が倍加し、莫大な損傷を被った。ミュッケンベルガー元帥は舌打ちを禁じ得ない思いだったが、彼はまず指揮系統の回復を求めた。ブラウンシュヴァイク公に連絡を取り、本隊を思い切って後退させるように具申したのである。ブラウンシュヴァイク公も暗愚ではないの
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