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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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と、その時だ。またもベートーヴェンの「喜びの歌」の、それもクライマックスが全軍の耳に飛び込んできた。リッテンハイム侯爵艦隊の背後が突如揺らめき、艦隊が蜃気楼のごとく出現したのである。フィオーナ艦隊だった。フィオーナ艦隊は近距離ワープでリッテンハイム侯爵艦隊を突破して背後に出たのである。


この戦法はフィオーナ艦隊の演奏に紛れて送られた暗号化指令をして全艦隊に直ちに伝えられていたのだった。それのみか全艦隊のワープ開始座標地点ワープアウト座標地点も正確にプログラミングされていたのである。それを自動解読するプロテクト解除の鍵が例の演奏だったというわけだ。


「全艦隊、砲撃開始!!」
既に演奏をやめ、副官にヴァイオリンを返していたフィオーナが叫んだ。ルグニカ・ウェーゼル准将、ブクステフーデ准将を2先鋒、ディッケル准将を次鋒にして、それを統括するように中央に布陣したティアナがフィオーナの指示を受けて、
「出番よ!!私たちの手でリッテンハイム侯爵艦隊を壊滅させるわ!!!!」
ティアナの号令一下、前衛艦隊がリッテンハイム侯爵艦隊右翼右側面後方から猛烈な射撃を浴びせかけた。背後を奪われてはどうしようもない。ほとんど無防備な姿の敵は次々と爆沈していくほかなかった。
「おのれ!!小癪な真似を!!右翼は回頭してあの不埒な艦隊を攻撃せよ!!」
リッテンハイム侯爵が指令した。幸いというか、右翼部隊は敵の左翼を叩き続けてその勢いを殺しているから、敵の反撃はそれほどないだろうという試算である。
「回頭して反撃だ!!」
リッテンハイム侯爵艦隊右翼部隊はおよそ4万。ブリュッヘル伯爵が指揮を執っている。左翼艦隊4万をバイエルン候エーバルトが指揮を執り、中央本隊5万をリッテンハイム侯爵が指揮を執っている。敵の右翼部隊4万に対し、フィオーナ艦隊は2万弱であったが、その勢いは圧倒的であった。何しろ先手を取ったのだ。
「アースグリム級戦艦、波動砲斉射、用意!!」
フィオーナが指令した。第三次ティアマト会戦同様フィオーナはアースグリム級戦艦を100隻ほどこの戦場に引き連れてきていた。彼女はそれを4隊にわけ、そのうちの1隊をして敵の右翼部隊に相対させたのである。
アースグリム級戦艦での波動砲斉射については、カストロプ星系での大会戦の際には使用できなかった。理由は敵方に回った貴族の中にも味方の貴族連中の親族・友人たちがいたのであり、それらをしらみつぶしに殺してしまう超兵器は使ってはならないというお達しがあったのである。ラインハルトは内心「バカバカしい。」と思っていたが、上層部からの命令なので、従わざるを得なかった。だが、カストロプ星系での会戦は結果として多大な犠牲者を出した。通常戦闘であってもこのような状態なのだ。波動砲斉射を行ったところで大した違いはないし、むしろ戦局を
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