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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十話 クライマックスに向けて駆け上がります!
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処刑されてしまえばまだ楽なのかもしれないが、流刑地に送り込まれ極寒の中を寒さと飢えに震えながら死んでいく様など誰も経験したくはない事だろう。
 もっともそれも早すぎるという見方もあるかもしれない。なにしろこの戦場でそもそも勝てるかどうかも、生き残れるかどうかすらもわからないのだから・・・・。

 フィオーナの概要説明が終わり、作戦説明が今度はティアナから行われた。ただしこれは通常の艦隊運動で行われるであろう予想戦闘に関してである。フィオーナたちが危惧している現象についてうかつに話してしまえば戦う前から士気は下がる。そのことは絶対に避けるべきだった。そういうわけでごく常識的な作戦説明にとどまったが、話し合いはごく短時間で済んだ。事ここに至っては会議などで方針を決めるというものではなかったからである。各員は各々の思いを抱きつつそれぞれの艦に戻っていった。


* * * * *
出撃前のわずかな時間にフィオーナとティアナはリューネブルクとケンプのもとを訪れていた。
「なに、そう気にする必要はない。」
リューネブルク准将、いや、少将はフィオーナの問いかけにそう答えた。
「立場が変わったからと言って小官と貴官の関係は変わらん。いや、悪い意味ではないぞ。小官がひがんだり、やっかんだりすることはない、ということだ。」
「ありがとうございます。」
フィオーナは笑いながら答えた。そういう答え方こそがリューネブルクらしいと思っていたし、そう言ってきたという事は自分に対して悪意を抱いてはいない、という事だ。
「俺としてはあまり歓迎はしたくはないところだ。」
カール・グスタフ・ケンプ准将が言った。その反応こそ正しいとフィオーナは思う。何しろ立場が逆転し今はフィオーナは上官になってしまったのだから。
「しかし上官は上官だ。命令には従う。だが、フロイレイン・フィオーナ、フロイレイン・ティアナの力量がどれほどのものか、この戦いで見極めさせてほしい。俺の空戦部隊を預けるに足る指揮官かどうかをな。」
「それは心配ない、すぐにわかる。」
と、リューネブルク少将が無造作に言った。ケンプは一瞬むっとした表情だったが、すぐに立ち上がり一同に敬礼をすると、部屋を出ていった。
「本当は私たちじゃなくて、ラインハルトの方に行ってほしかったのに。あの人の才能はラインハルトの下でこそ発揮できるのに、私なんかじゃ無理だわ。」
フィオーナがため息交じりに言った。
「まぁ、気持ちはわかるわ。でも来てしまったものを今更追い返すわけにはいかないじゃないの。」
「そのミューゼル・・いや、今やローエングラム伯だが、何もすべての者に対して寛大かどうかはわからんぞ。俺のようなやっかみ者はかえって伯を煩わせるだけだと思うが。その点ではあの男がどういう評価を受けるか、というところだな。」
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