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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百二十話 内乱終結後(その4)
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るんでしょう」
「ああ、そうだね」
「これからのほうが私達は忙しくなると思っているの」

エリザベートは穏やかな表情をしている。嘘ではないようだ。安心していいのだろう。ハインツが俺に話しかけてきた。
「エーリッヒ、内務省は縮小されるそうだね」
「それだけじゃないよ。色々と新しい省が創られる事になる」

内務省は縮小される。元々あんな馬鹿でかい権限を持った省が有る事がおかしかった。内務省が持っていた権限は財務、司法、軍事を除いた行政全てと言って良い。他には科学、学芸、宮内、典礼等が有るだけだ。いかに内務省が巨大であったかが分かる。おそらくルドルフは権限を集中する事で効率化を図ったのだろうが、今では弊害の方が多い。

内務省の権限は縮小される。そして新しく保安、自治、運輸、工部、民生の五つの省が生まれる。警察行政は保安省に管轄させる。但し社会秩序維持局は廃止だ、そして帝国広域捜査局を新しく作る。帝国版FBIだ。恒星間にまたがった犯罪を担当し、テロ・スパイなど帝国の安全保障に係る公安事件を担当する。所属は司法省だ。

地方行財政、災害対策は自治省。恒星間の輸送、通信、民間用宇宙船の生産、輸送基地の建設は運輸省だ。そして都市・鉱工業プラントの建設、惑星開発、資源開発、開発基地の建設は工部省になる。民生省は社会福祉、社会保障、労働問題を管轄する。

原作では運輸、自治省の管轄領域は工部省に含まれていた。効率化を図ったのだろう。いずれは縮小するとラインハルトは考えていたが、官僚は自分の縄張りを簡単に手放したりはしない。ラインハルト死後の原作では大騒ぎになっただろう。

まして運輸、自治の管轄領域は利権を生みそうだ。今からバラバラにしておいたほうが良い。そうじゃないと内務省が工部省に変わっただけなんて事になりかねない。それでは意味がない。それに運輸、自治は宇宙統一後の事も考えてもらう必要も有る。

内務省に残るのは各行政機関の機構・定員・運営や各行政機関に対する監察、恩給、国勢調査だけだ。普段なら大騒動になるところだが、今回はラインハルトの簒奪に加担したというペナルティがある。文句は言わせない。そして多くの貴族がいなくなった今典礼省も不要だ。その権限は宮内省に統合された。

「お前はずっとこれを考えていたのかい。あの時からずっと」
ハインツが俺に問いかけてきた。表情には辛そうな色が有る。多分俺の両親の事を考えているのだろう。エリザベートも同じような表情をしている。

どう答えればいいのだろう。確かにあの時ラインハルトに協力して門閥貴族を倒す事を考えた。だが自分が主導して門閥貴族達を倒す事を考えたわけではなかった……。
「そうなれば良いと思った。でも自分で出来る事だとは思っていなかった。誰かが先頭に立ってやってくれるだろう、そ
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