暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
冬といえばコレだよね。
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「それよりAdmiral、貴方なんて危険な物を使ってるの!」

「あん?何がだよ。」

「こっ、コレはコタ・ツーでしょ!?プリンツから聞いたわ、コタ・ツーは人を堕落させる悪魔の道具だって……!!」

 おいおい、誰だよそんな間違った情報を植え付けたのは。

「あのなぁビス子。確かに炬燵は人を堕落させる事もある、それは事実だ。だがな、それは本人の気の緩み……つまりは慢心が生み出す物だ。」

 ヘェックシ!と空母寮の方から大きなくしゃみが聞こえた気がしたが、気にせず話を進める。

「それとも何か?ビス子は気が緩んでるダメ戦艦だとでも?」

 あ、ビス子の顔が赤くなってきた。煽りが相当効いてるな。

「じょ、上等じゃない!このビスマルクがどれだけ強い鋼の精神力を持っているか、見せてあげるわ!」

 やっぱ乗ってきた。ビス子はこの身体のサイズに見合わず負けず嫌いで幼い性格のせいで、駆逐艦の暁に瓜二つだと言われている。陰で「デカい暁」とか、逆に暁の方が「チビマルク」なんて呼ばれてたりする。だからこそ、こんな安い挑発にも乗ってしまう。こういう解りやすい性格の奴って、やっぱりからかい甲斐があるんだよなぁ。



「ホラホラ、いつまでも突っ立ってないで、こっち来いよ。」

 俺が手招きすると、ビス子がおずおずと警戒するように近寄ってきた。どんだけ炬燵を警戒してんだよ。

「し、失礼するわ……。」

 炬燵掛け布団を捲って足を入れた瞬間、驚いたようにビス子が声を上げた。

「あ、暖かいわ!」

「そりゃあねぇ、だって炬燵だもの。」

 暖房器具だ、暖かくて当たり前だろう。一年中常夏に近いブルネイでも、その気候に慣れてしまえばやはり冬場は寒く感じる物だ。そうなるとやはり、真っ先に炬燵が浮かぶ。

「ままま、まずは一献。」

 俺がビス子にお猪口を渡し、ぬるくなりかけの徳利から酒を注いでやる。

「ちょ、ちょっと実務中にお酒は……」

「いーのいーの、この時期にしか味わえない甘露だ。味わっとけって。」

 年末シフトに限っての話だが、特別に待機中の艦娘にも飲酒を許可している(限度はあるが)。やはり体内から身体を温める効果は高いし、なんと言っても普段出来ない悪い事をしている感じが、なんともまぁ甘露な味にしてくれる。

「ぷはっ、やっぱり温めて飲むなら日本のサケが一番ね。」

「だよなぁ。ビールとかワインにも温めて飲む方法はあるが、やっぱり日本酒の熱燗には敵わねぇものなぁ。」

 今日は地元岩手の辛口純米酒「七福神」に燗を漬けて飲んでいる。通常の純米酒に比べて味わいが強く、日本酒が苦手な人だと少し飲みにくいと感じるかも知れない。だが、その強い味わいは燗を漬けても損なわれる事なく、
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