暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
秋刀魚だと思った?ねぇねぇ、秋刀魚だと思った?
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「これは……キノコか。」

 そう、二人の目の前にカゴごと置いたのは山盛りのキノコ。今の時期しか食べられない、旬の味だ。

「てっきり秋刀魚が出てくると思ったのにぃ〜。」

 そう言って島風は不満げだ。確かに、漢字を見ても秋と言えば秋刀魚、ってイメージは強いよな。だが、その辺は国際情勢やら何やらで難しいのだ、特に今年は。

「あ〜、実はな。お前らが営倉入りしてる間に、農水省と大本営から辞令が来てな。」

 そう言って二人の前に1枚の紙を見せた。内容は簡単に言えば、『日本近海の秋刀魚漁が不漁だから、艦娘使って秋刀魚獲ってこい』って辞令。無茶苦茶だとは思うが、上からの命令だから仕方ない。

「主にアルフォンシーノの辺りでな、秋津洲使って秋刀魚獲ってるんだ。」

 やり方は簡単、水中探信儀使って秋刀魚の群れを見つけ、秋津洲の搭載してる二式大艇ちゃんに網を括り付けて引き上げる、という方法だ。まぁ、そのままの二式大艇の出力だと離水も難しいから、妖精さんに多少弄ってもらってはいるが。

「ほぅ、二式大艇にそんな使い方がな。」

 武蔵は興味深そうに目を細めた。

「そんな理由でな、獲った秋刀魚は本土に送ってるから秋刀魚は無いんだ、悪いな。」

「しょうがないさ、無い袖は振れなくて当たり前だ。」

「うぅ〜…、そのかわり、美味しいキノコ料理急いでねっ!」

 まぁ、秋刀魚の不漁は天候だけじゃなく、中〇や〇湾の台頭がある。近年、北海道沖の公海上でかなりの数の秋刀魚漁船が操業してるらしい。普通の船だから深海棲艦に瞬殺されそうな物だが、どうやら艦娘の劣化コピーのようなのが護衛に就いているらしく、本土の方はスパイ探しに躍起になっているらしい。ま、そんな面倒くさい政の諸々はお偉いさん方に任せとけばいいのさ、椅子に座ったケツに根が生えたように動かない連中を、たまには動かさせてやらにゃ。



 さて、と。取り敢えず二人はまだビールを飲んでいるようだし、簡単なツマミを一つ。

「……ってか、島風お前呑めるんだな。」

「あ!提督今子供扱いしたな〜。失礼しちゃう?」

 島風は頬を膨らませてむくれている。なんだろうな、たま〜に艦娘の仕草があざとく見えたりするのは俺だけか。まぁ今はそれは置いといて、調理をしよう。まずは大根、といっても、大根おろしにするだけなんだが。そこに加えるのは俺の手製のなめ茸。案外なめ茸って簡単に作れるんだよな。

《案外簡単、手作りなめ茸》

・えのき:200g

・醤油:大さじ3

・みりん:大さじ3

・酒:大さじ3

・砂糖:小さじ2

・米酢:小さじ2

 えのきは根元を切り落としたら、使用する部分を2cm幅位に切り揃える。鍋に米酢以外の材料を入れて煮立た
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