暁 〜小説投稿サイト〜
とある地下の暗密組織(フォートレス)
ep.018  『ghoulとfortressとGROWとその他』
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ぎ持って行って挙句に姿を消したのだ。


敵対こそしないが、嫌悪感を感じるには申し分ない理由になると言える。




「おい、そこまでにしておけ。それに、今回に限っては余り責めたててやるな。」
そういう叶世はファイルを手に取り中身を見ている。

その中身が何かはわからないが、彼の落ち着きすぎている表情が謎の安心感を生み出している。それが何か気になってきてしまいつい口から言葉がこぼれる。


「その情報というのはなんだ?『島崎 向子(こいつ)』が持ってくるということはそんなに役に立つ情報なのか?」
彼は自分たちが利用されたことを根に持ちつつも、仕事と自分の感情をしっかりと切り離す。

つまりは、彼女の少しねじ曲がった性格を知りつつも、彼女の技量をしっかりと称賛しているということなのだ。このような一大事にしょうもない情報や現状どうでもいいことは一切せず、慣れた手つきで『まるで嘘のように』有り余るほど多くの情報を持ってくる。

今回はファイルに紙が5枚ほどさらに半分で二つにクリップで分けられていた。

3枚の束を叶世がちらりとめくり見ている。死んだ魚の目に光は宿らず、不動の眼がただ分を見つめる。


「役に立つと言えば役に立つ。事実、今必要な情報かわからんがこいつが持って来るということは必要なんだろう。」

謎の信頼感を見せてもらって悪いが、今はとりあえず見せてもらう。


『アカウント』、『アナコンダ』。
その2つの言葉が分けられた2つの束のそれぞれに大きく書かれている。それをまじまじと見つめる叶世に『島崎向子』が一言。

「ジュンジュンは、やっぱり気になるの?」
叶世が見ているページ、そこに書かれている島崎向子と夢絶叶の名前。これまで3年間全く過去を知らなかった奴の過去まで乗っているのかと死んだ目に一瞬驚きという名の輝きが宿った気がしたがそれも刹那とでも言ってしまえる瞬間に消え、死んだ目が再び文字の羅列を見つめ始めた。
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