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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic19-Cその日、ミッドチルダ〜Mission failed〜
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寄って来て、俺に治癒魔法を掛け始めた。

「聖王ヴィヴィオ陛下を護る騎士。それが僕、プフェルトナーだ!」

――高貴なる堕天翼(エラトマ・エギエネス)――

フォルセティの幼い体の背中から、“堕天使エグリゴリ”と同じクジャクの美しい尾羽のような魔力翼が放射状に20枚と展開された。

――輝き奪う黒き仮面(キアーブーシュ)――

「これは・・・!」

フォルセティから発せられた魔力。その瞬間、左目どころか唯一正常だった右目の視力すら失い、俺は闇に放り込まれてしまった。

「視界が・・・!」

「何も見えない!」

俺だけじゃなく、シャマルやすずか、さらにはグリフィス達からも視覚異常が起きたと声が上がる。

「ぐふっ、ごほっ、呪われし者に(コード)汝の施しを(ラファエル)・・・!」

吐血しながら術式名を詠唱。発動するのはラファエルのバリエーションで、治癒効果は一切ないが、対象に掛けられたマイナス要素の術式効果を解除すると言うもの。俺の胸に開いた創傷を後に、まずは視界回復を優先した。死に難い体で良かった。

「敵魔導師は排除。もしくは無力化せよ。力なき者には慈悲を」

――煌き示せ(コード)汝の閃輝(アダメル)――

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」

ラファエルで視覚を取り戻した瞬間、フォルセティは俺の創傷に右手を当て、そこから砲撃を撃った。全身を貫く激痛、そして浮遊感。ゼロ距離砲撃を受けた俺は光の奔流に呑まれ、食堂の窓から外まで吹っ飛ばされた。

「あ・・・ぐ・・・ぐぅ・・あ゛あ゛あ゛・・・!」

物理破壊設定の砲撃をゼロ距離で受けたら普通は死ぬ。というか死ぬほど痛い。意識が朦朧とする中、「敵戦力、無力化完了。次は施設を破壊」フォルセティが窓から飛び出して来て、空へと上がった。敵戦力の無力化が済んだということは、シャマルやすずかも・・・。

「く・・・そ・・・」

――女神の祝福(コード・エイル)――

上級の治癒術式エイルを発動しつつ、『アイリ・・・1人で来い・・・!』念話で伝える。アリサ達はメガーヌさん達の監視だからな。

『マイスター!? マイスター! どうしたの、マイスター!?』

『事情は後で話す・・・急げ』

『ヤー!』

星空の中に、俺と同じサファイアブルーに輝くアースガルド魔法陣が薄らとだが見える。あの子は施設を破壊すると言っていた。どんな魔法を使ってくるか、俺のクローンということもあって見当もつかない。

「其は神域にて永く眠りし天災の王。我らの願いの元、王に盾突く者共を屠るがため、いざ天にて目覚め、地に向け高らかに謳え」

風に乗って聞こえて来たフォルセティの声、というより呪文詠唱。そして、その呪文内容に血の気が失せた。


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