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Three Roses
第二十四話 やつれていく身体その十二

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「大事です」
「やはりそうなりますね」
「マリー様、これからはです」
 ロドネイ公もマリーに話す。
「これまで以上に」
「お姉様とですね」
「手を携え合って下さい」
「この国の為に」
「はい、王家の為にも」
 是非にというのだ。
「そうされて下さい」
「若し私達が争えば」
「その時はです」
 まさにというのだ。
「二匹の獅子が争う様なものです」
「国の中で」
「はい、国を担うべき獅子達がです」 
 獅子を国を司る王権を護る者として例えたのだ、その二匹の獅子こそがマリーとマイラであるというのだ。
「互いに争えば」
「国が衰えますね」
「どうしようもないまでに」
 まさにそうなるというのだ。
「ですから」
「私達はですね」
「決してです」
 まさにというのだ。
「争わないで下さい」
「何があろうとも」
「マイラ様のお考えも大きいですが」 
 若しマイラがマリーを消そうとすればというのだ。
「その時はです」
「危ういですね」
「しかしそうであってもです」
「私はかわすことがよく」
「争えばです」
 その時はというのだ。
「国が乱れます」
「だからこそ」
「はい、護りに徹しましょう」
 最後にキャスリング卿が言ってきた。
「常に」
「この国の為にも」
「護りに徹していてもお力を手放していないなら
「それならですね」
「はい、我々は既にです」
 新教徒達はというのだ、マリーを旗印とする。
「宰相の座と内外そして財務のそれぞれの卿の座を持ち」
「そこにある力もですね」
「持っていますので」
 だからだというのだ。
「この四つのお力を後ろ盾とすれば」
「お姉様が若しもですか」
「過った考えを持たれても」
 そしてマリーに害を及ぼそうとしてもというのだ。
「お命まではです」
「そして生きていればですね」
「そうなります」
「お姉様のお考えはどうもわかりませんが」 
 そうしたところがだ、どうしてもあるというのだ。
「あの方は」
「そうですね、それは」
「確かにです」
「あの方はあまり人前に出られず」
「そしてお話もされません」
 マイラの内向きな性格は今も変わらない、学問と信仰には熱心だが人とはあまり会おうとはしないままだ。太子は別だが。
「お顔や目からもお考えが読みにくいです」
「そうした方ですから」
「どうにもです」
「お考えがわかりにくい方です」
「私にそうした感情を抱いてはおられないと思いますが」
 マリーはこうも言った。
「ですが」
「それでもですね」
「あの方につきましては」
「どうもです」
「お考えがわかりにくいです」
「そうです、私もです」
 妹である彼女もというのだ。
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