第二十四話 やつれていく身体その十一
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「それは」
「王子だ」
王はロドネイ公にすぐに答えた。
「太子を次の王にしたい」
「そうされますか」
「うむ、間もなく立太子の儀を行い」
「正式に」
「この国の次の王としたい」
ロドネイ公だけでなく場にいる全ての者に告げた、誰も今は表情には出さない。太子もいるが彼も同じであった。
「その様にな、異論はあるか」
「・・・・・・・・・」
誰も言わない、無論太子もだ。太子はここで言うとかえってよくはないと判断して言わないことにしたのだ。
王はその彼等を玉座から見回して言った。
「ではその様にしよう」
「御意」
皆こう応えた、王はこれだけ言うと部屋を後にした。その後で。
ロドネイ公は同志達とだ、マリーに対して言った。
「まさかです」
「王子を太子にされるとは」
「王ご自身がそうされるとは」
「マリー様でもマイラ様でもなく」
「そうされるとは思いませんでした」
「私もです」
マリー自身もだ、側近達に応えて言った。
「まさかです」
「左様ですね、これは意外でした」
「王子が次のこの国の王ですか」
「北の王国の王であられると共に」
「そうもなられますね」
「驚きました、ですが」
ここでだ、マリーは側近達にこうも言った。
「このことは私にとってはです」
「むしろいいことですね」
「マリー様は玉座を強く望まれていない」
「それ故にですね」
「このことはいいですね」
「はい」
まさにという返事だった。
「私としましては」
「おそらくですが」
デューダー卿が言ってきた。
「マリー様はその場合は」
「摂政ですか」
「そのお立場となられ」
「国政にあたることになりますね」
「そう思います」
「そうですね」
マリーもデューダー卿のその言葉に頷いて答えた。
「私はその場合は」
「それで構いと言われるなら」
「何も問題はありません」
「それでは」
「それでなのですが」
大司教もマリーに言ってきた。
「マイラ様は」
「お姉様は」
「はい、あの方はどうなるか」
「お姉様も」
「あの方も同じくです」
「摂政としてですね」
「政治にあたられるでしょう」
マリーと同じく、というのだ。
「マリー様と共に」
「その通りですね、では」
「お二人で」
「王子を助けてですね」
「政治にあたられる」
「そうなりますね」
マリーも頷いてだ、大司教に応えた。
「まさに、では」
「はい、肝心なことはです」
「私とお姉様がですね」
「共に手を携えられることです」
このことがというのだ。
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