第62話 くだりモノ
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気がする。
「サソリ......何か隠している事あるでしょ」
「!?」
いつものお調子者の佐天ではなく、怒ったような真剣な目付きでサソリを見ていた。
「べ、別に関係ねーだろ」
佐天の手を振り払おうとするが単純な腕力では佐天の方が上のようで簡単には剥がれない。
サソリの心臓がかつてないほどに強く拍動していき、まるで悪い事を隠していたのがバレた子供のように拗ねた顔になった。
「関係ない!?そんな事ないでしょ!」
サソリを無理矢理座らせると目線を合わせるように佐天も向き合った。
「御坂さん!サソリが逃げないように注意してください」
「わ、分かったわ」
サソリの隣に御坂が配置されて、サソリは窓から逃げる事、体力が残っておらず術を使って逃げる事すら出来ない状態となった。
「言って!」
「ぐぐ......あー、分かったよ!はあ」
サソリは座り直すと胡座をかいた。
虚弱化した身体を庇うように腕をブラブラさせるとポツリポツリと話し始めた。
「......悪い、御坂......フウエイの事なんだが」
「フウエイちゃん?」
顔色が悪いサソリが御坂を見つめながら、一言一言注意しながら話していく。
「その......なんつーか......かなり危ねぇ所まで行ったんだ......」
「えっ!」
「心拍が止まって呼吸も止まって......蘇生術をやったが、戻らなくてな」
アクセラレータによる激しい傷によるダメージはサソリの予想を超えており、人傀儡に造り替えたのだが、自分の時とは違い心肺停止の瀕死に陥ってしまった。
「......」
ゴクリと御坂が生唾を飲み込んだ。
サソリは一回だけ深い瞬きをすると呼吸を整えた。
「ある術を使った」
暁時代の最期の戦闘。
瀕死の重傷を負ったピンクの髪をした忍を追い詰めた時の一幕。
自分の師であり、祖母との会話を思い出した。
無駄だ......
急所を突いた
毒がなくとも、そいつはもうじき死ぬ
簡単には治療出来ない所を狙った
フ............
医療忍術での応急処置を終えた
ワシが今やっておる医療忍術ではない......
?
己の生命エネルギーをそのまま分け与える............
転生忍術じゃ
............
そもそもこれは......
お前のために長年をかけ、編み出したワシだけの術じゃ
............?
この術があれば
傀儡にすら命を吹き込むことが出来る......
術者の生命が尽きるのと交換でな......
サソリはやや和らいだ表情になり、安堵したように身体の力を抜いた。
「フウエイにはオレの生命が入っている......少し元気過ぎるくらいだがな」
ずっ
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