第62話 くだりモノ
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...ふにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!」
アパート全体が揺れるほどの大絶叫が響き、御坂は咄嗟に手加減なんざ考えていない大電撃を流して、御坂に軽く膝枕しているサソリを痺れさせた。
「あが、イヂヂー!?」
サソリが最悪の寝起きを体験したかのように不機嫌そうな目付きをしながら、痺れる身体を引きずるように座り直した。
「な......何しやがんだ?」
「こ、ここここっちのセリフよぉ......あたしに取っては初めて......」
そこまで喋ると御坂の頭が爆発したようになり、蒸気が溢れている。
フシューっと音を立てて俯いた。
「??何かあったのか?」
身体からビリリと流れている電撃を振り払いながらサソリが佐天に質問した。
「えっと......き、キスをしたんですよ」
「誰が?」
「サソリが」
「誰に?」
「御坂さんに」
「......ん?何処にだ?」
佐天が紅潮した頬を指した。
「なんだよ。そんな事かよ......くだらねーな」
サソリが怠そうに脚を伸ばして、休む体勢になった。
「......いもん」
「あ?」
「くだらなくなんかないもーん!」
「うるせぇな!減るもんじゃねーだろ。そんな程度でギャアギャア騒ぎやがって」
「騒ぐわよー!」
御坂が電撃をバチバチと強くさせていく。威嚇をする猫のように息を荒げた。
「み、御坂さん!あたしの部屋であまり能力を使わないでください!」
もろもろの電化製品が壊れて再起不能になってしまい、お小遣いのピンチに。
「だってだってコイツ......!!」
先ほどの所業を想起しながら御坂は行き場のない感情をぶつける為にサソリの胸ぐらを掴むと表情が強張った。
「えっ?」
か、軽い......?!
予想していた重さを遥かに下回る体感に御坂の頭は急激に冷やされて身を固くした。
掴んだ胸元からははっきりと皮の裏側から肋骨が浮き出ている。
サソリはため息をしながら、すっかり緩んだ御坂の腕を外すと状況を確かめるように外を眺めた。
「佐天の家か?」
乱れた外套を直しながらサソリが訊いた。
「そう......だけど?」
何かに追い詰められているかのように身体を強張らせている御坂の身体を支えながら、佐天は探るように答えた。
「......フウエイがやったな......邪魔した」
サソリが窓を開けようと手を伸ばす。外套の隙間から細く白い腕が露出した。
「!?」
佐天が制止するかのように腕を反射的に伸ばしてサソリの行動を止めた。
「?......」
サソリの手を掴んだ佐天の表情が御坂と同じように緊張した。
外套を捲ると最初に逢った時かそれ以上の細さになっている。人間の腕ではなく木の枝をゴムで覆ったという表現が正しい
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