第62話 くだりモノ
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受け取りなさい」
「うーん、ちょっと押しが弱い気がします」
佐天が顎に手を当てながら、少し考えるそぶりを見せた。
そして御坂に耳打ちをする。
「えぇー!そ、それをするの?」
「やってみてください!サソリも喜ぶはずです」
「うう......」
テイク2
「はい!勘違いしないでよ!たまたま、材料が余っただけなんだから、別にアンタの為じゃないんだからね!!」
ツンデレ属性
テイク3
「クク......其方に礼を言わねばならないな!これは我が眷属に伝わる......って何これ!?」
中二病的な
テイク4
「はわわわ、すみません。クッキーを焼いたんですが......忘れてきちゃいまし......意味なっ!?」
ドジっ娘
テイク5
「はい、クッキーをあげます......これであたしとずっと一緒ですね。あたしの愛情入り鮮血入りのクッキーで.......怖い怖い怖い!」
ヤンデレ属性
御坂はぐったりと机に伏せて、疲労困憊の様子で腕を組んでいる佐天を見上げた。
「あとは『お姉さん』的な渡し方がありますよ」
「ご、ごめん......これだったら普通に渡すわ」
「ふふ!」
佐天が含み笑いをしながら御坂を見ていた。
「?」
「いやー、可愛いなぁって思いまして」
「ちょっ!そんな事ないわよ!」
顔を真っ赤にし、腕を振りながら全力で拒否をする御坂。
「大体アイツは、何かあれば文句ばかりだし、子供っぽいし......そりゃ、いざとなれば頼れるけど......それはなんつーかお礼は、あたしのけじめだし......!」
と御坂が正座をしながら良く分からない複雑な汗が滲み出てきていると、御坂の隣の空間が一点から歪み出して赤い髪をした少年が3次元に拡張される形で出現し始めた。
窓からの光を遮断するように現れた少年は、人形のように御坂に倒れ込み始めて、全く受け身の用意が出来ていない御坂に覆い被さるような形となった。
「えっ!?な、な?サソリ?」
サソリは意識がない状態で凭れかかると....,.
チュッ......
御坂の頬にサソリの柔らかい唇が当たり、サソリは御坂の脇腹を枕にするようにずり落ちて止まった。
「な.......ななななななななななななな
!!?」
御坂は柔らかい感触が通過した頬を触れるか触れないかの距離で現実に起きた事象の整理をしていく。
ま、まままさか......
サソリにキスされた......?
キス?
あたしにサソリが......
ふと見上げると佐天が手で口を覆いながら、顔を真っ赤にして固まっていた。
「み、御坂さん。今のって......」
この場にある全ての生理的反応と物理的反応を総合してみても自分の結論との差異はない。
「ふ、ふ...
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