暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第62話 くだりモノ
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
不器用なキャラが不器用なりに頑張ったボロボロクッキーってのが乙な場合もある。
作れば必ずしなければならないイベントがあるのも御坂はすっかり忘れていた。

「うぅぅー!......どうやってこれをサソリに渡せば良いのよー!」
サソリにどうにかしてお礼の品を渡すというミッションだ。

佐天の部屋にあるテーブルに茶色の袋にクッキーを入れ、キチンと置かれたのを見ながら御坂が顔を真っ赤にしながら悶絶していた。

直接渡す→選択出来たら、こんなに苦しんでいない。白井達に気付かれるリスクが高い。
宅配で届ける→異次元の世界(写輪眼の神威)にサソリがいる為。つーか、直接渡せないのがバレるのではないか......

「わ、渡すだけ......そう、投げつけるだけでも(←ダメです)」
何故かクッキーの前で正座をしながら御坂はブツブツと言っている。
「あのー......電話して呼びますか?」
ベッドに腰掛けた佐天が困ったように愛想笑いをしながら、携帯電話を取り出した。
「な、何であたしがアイツの為にここまでしなきゃなんないのよー」

分かっているわよ!
あたしが原因の実験を止めてくれて、死んだと思っていたクローンを生き長らえさせてくれたし......
悔しいけど、感謝しかないわけだけど......
このモヤモヤとした気持ちは何なの!?
お礼したいけど、アイツの事だから憎まれ口を叩くと思うし
ああああーーー!

何かの葛藤を抱えながらガンガンと床に頭を叩きつける御坂。
「ちょっ、御坂さん!下の階に響いちゃいますよ」
「ご、ごめん......佐天さんの能力でどうにかなる訳ないわよね」
本当に困っているかのように頭を上げて、拝むようなポーズをしている。

「あたしですか!?夏場にぴったりぐらいの氷ですけど......練習します?」
「練習?」
「あたしがサソリの真似をしますから、御坂さんがお礼を言いながら渡す練習ですよ。ほら、いざって時に頭が真っ白になった為に」

「......練習かぁ......やっておいた方が良いかも」
少しだけ考えると御坂は意を決してクッキーの袋を手にして準備に入る。
佐天は黒髪を掻き上げながら流し目をして御坂と向かいあった。
「じゃあいきますよ......何だいベイビー」
「ごめん、ちょっと待って」
「待つぜ子猫ちゃん」
「どこのB級ホストー!?佐天さんのサソリのイメージってそれ?」
「あれ、違いましたっけ?」
「違うと思うわ......まあ、良いわ。取り敢えず佐天さんをサソリに見立てて渡す練習をする」

気を取直して。
ニコッと笑っている佐天にクッキーを手渡しながら御坂が顔を真っ赤にしながらお礼の練習を始める。
「こ、これ......その......あの時のお礼よ。う、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ