■■???編 主人公:???■■
広がる世界◆序章
第七十話 子どもたち
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た。
「なあ、このデュラビリティってのが天命だよな?」
「そうよ。一番上の数字が天命」
「じゃあ下のふたつ、オブジェクトコントロールオーソリティとシステムコントロールオーソリティって数字はなんなんだ?」
「下の二つはよく分かってないのよ……神聖語が読めればいいんだけど、シスター・アザリアもよく知らないみたいで……」
そこまで話したアリスは突然ハッとして顔を上げると、突然鋭い声でミズキを問い詰めた。
「ねえ、今あんた何て言った?」
「えっ、下の二つの数字が一体何なのか、って……」
「その前よ! なんちゃらおーそりてーがどうとか!!」
「オブジェクトコントロールオーソリティとシステムコントロールオーソリティ?」
「それよ! ああ、なんてこと! あんた神聖語が読めるのね!?」
「神聖語……って英語のことか。ああ、読めるぞ。ってアリスも神聖術使うときに声に出して言ってるじゃないか」
「それとこれとは話が違うわ! いい、よっぽど偉い術者じゃないと神聖語は読めないのよ。神聖語が読める術者なんて、それこそ一握りしかいないはずだわ。まさか神聖語の意味は分からないでしょうね?」
「いや、ある程度は分かるけど……」
「なんですって!? こうしちゃいられないわ。セルカ、ほんとごめん、あとちょっとだけお留守番しててくれる、いいわね? 私ミズキと行かなきゃいけないところがあるの」
姉とミズキのやり取りをよく分からない顔で見ていたセルカは、突然話を振られて言葉に詰まった。その間にもうアリスはミズキの手を取って走り出していて、ミズキはあわててセルカに一声叫ぶ。
「セルカごめん、また後で遊ぼうなー!!」
アリスに引きずられながらミズキがそう叫ぶと、セルカはまたねーと手を振った。
「聞いて! 緊急事態よ!!」
アリスはあっという間にいつもの遊び友達である二人のもとへ駆けつけて叫んだ。集合したのは村の南に屹立する巨木『ギガスシダー』を倒す役割(この世界では『天職』と呼ぶのだそうだ)を与えられた、通称刻み手の二人である。今は仕事の休憩中のようだ。
「ねえアリス、今度はなんだよ、っていうかこのお兄さんだれ」
ブロンドの髪の少年が訪ねると、アリスは少しイライラしながら答えた。
「この前話したでしょ? 私が村の前で発見した『ベクタの迷子』よ。ミズキ、自己紹介して」
「お前には年長者に対する敬意ってものはないのか……? まあとりあえず、ミズキだ。ベクタの迷子とやらで記憶が無いからそれ以上は特に語れない」
「ミズキさんね。よろしくお願いします、僕はユージオです」
「俺はキリトだ。お兄さん、ベクタの迷子ってほんとに何も覚えてないの?」
キリト、という名前を聞いたミズキは頭のどこかにかすかな違和感を感じた。どこかで聞いた名前だが思い出
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