暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
惚れた弱味
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「するってぇと、後は金剛型の四姉妹の誰か、っちゅう事になるのう。」

 ウチのケッコン艦メンバーを思い出しながら荒木がそう宣った。げ、どんどん核心にせまってやがる。ヤバイぞこれ、どうすんだコレ。

「へぇ、金剛さん達皆とケッコンしてるのね!」

「でもそれって、本命さんを隠すためのカモフラージュ……だったりして。」

 おいおい、さっきからクルツのトコの夕雲が物凄いニアピン発言連発なんだけど。今胃がキリキリと絞り上げられてる気分なんだけど。これが世に聞く女の艦、もとい女の勘って奴なのか。すると此方をチラリと見た夕雲、確信を持ったように妖艶な笑みを浮かべる。

「やっぱり。本命さんは金剛さん達姉妹の誰かね?」

 ゲ、まさかさっきの会話に対する俺のリアクションを観察してやがったのか!?それを聞いた酔っぱらい共、やおらテンションが上がる。

「よ〜し、じゃあ金剛四姉妹の中から、コイツの本命を探って行きましょ〜っ?」

「「「「おー?」」」」

 ハァ。もう好きにして下さい……。



「じゃー下から順に……まずは霧島さん!」

「うん、まぁ。霧島さんなら不思議じゃないですよね。」

「そうよねぇ。戦艦としての実力は申し分無いし。」

「『艦隊の頭脳』の二つ名通り、秘書艦能力も高いし。」

「改二になってからは更にオンナに磨きがかかったよな、彼女。」

「眼鏡っ娘で末っ子、男の人ってそういうの好きですし。」

 ジトッとした目でコッチを見てくる大和。まぁ否定はしないが。確かに霧島は可愛らしいとは思う。それに、改二になってからは長門型に勝るとも劣らない火力を叩き出す、難関海域の突破には欠かせないメンバーとなっている。それに、他の艦に比べても事務処理能力は高いし、意外と何をやらせてもそつなくこなす。酒も強いから、俺に付き合って飲んでくれる事もしばしばあり、非の打ち所がない女性といった感じだ。だが、それがまた逆にネックだったりする。

「けどのぅ。そういうオンナを好む男もいるじゃろうけども、コイツはそういうタイプじゃあないしのぅ。」

 そう、そうなんだよ荒木。流石に解ってるな、お前は。

「えっ、なんで?悪いところが無いなら良いじゃない。」

 叢雲がむくれたようにそれに突っかかる。

「何て言うか……ねぇ?」

「男はネ、女性に『弱さ』を求めるんだよ、本能的に。」

 サラトガのグラスを傾けながら、語り始めるクルツ。

「男は本能的に、『女性は守る者だ』という意識がある。それなのに、守る必要が無いと言われると、途端に困ってしまうんダ。」

 まぁ、それに近い感覚だろう。相手の足りない部分を補ってこそのパートナーだと思うし、そういう所を補いたいと自然と思えるのが愛だ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ