惚れた弱味
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と、俺は思うがね。
「まぁ、霧島はしたたかだからな。意外と既に彼氏が居たりしてなw」
有り得なくはない、と思ってしまった俺がいる。
「じゃあ次は三女の榛名さん!」
「彼女こそ良妻賢母、って感じですよねぇ。」
「ただただ健気だし。」
「可愛いしなぁ。」
「何て言うかこう……守ってあげたい!って思えるよなぁ自然と。」
うへへへ……、とニヤつく男性陣を冷ややかな視線で眺める女性陣。うわぁ、他の女の話題で盛り上がってるとこんな顔されるんだなぁ。気を付けよう。
確かに榛名は健気だ、何をやらせても一生懸命だし細かい所に気が付く。こういう奴が嫁さんだと、旦那は仕事に集中させてくれそうだよな。……けどなぁ、榛名はなぁ。
「でもさぁ、榛名ちゃんて重そうだよな。」
赤ら顔の染嶋が、唐突に言い放った一言。これが榛名に躊躇する一番の理由では無かろうか。個人の勝手なイメージかもしれないが、榛名はその愛情表現が重そうなのだ、何となく。
俺も大将という立場上、同じブルネイ泊地に在籍する提督のまとめ役のようなポジションを担う事がままある。そういう時によく話題に挙がるのが『鎮守府の中での生活』、特に嫁艦との生活に関して……つまりはノロケ話だ。カッコカリとはいえ、まがりなりにも『嫁』なのだ。勿論、夫婦らしい過ごし方も認可されているし、大本営も提督のストレス軽減に効果があると寧ろそれを推奨している。そんな中でもよく名前が挙がるのは榛名だ。健気に尽くしてくれる優しい美人……男には堪らないだろう。だが同時に、嫁として苦労するとの話をよく聞くのも榛名だ。
嫉妬深く、独占欲が強い。他の艦娘と仕事の話をしているだけでボコボコに殴られた、なんて奴もいた。幾ら健気で美人でも、ヤンデレは勘弁願いたい。
「じゃあ……残るは比叡さんか金剛さん?」
やっぱそうなるよなぁ。実際問題、二人の内片方は本当に惚れた相手だから困ったモンだ。さて、どうやってこの流れを収めた物か。
「……そういえば、提督さんがその本命の人を好きになった理由って何ですか?」
好きになった理由?理由なぁ……考えた事も無かった。
「なんだろうなぁ。気付いたら視線で追ってて、何で追ってんだ?って考えたら、『あぁ、俺コイツに惚れてんのか』って気付いた。」
「一目惚れ、って奴かいのぅ。」
「ワォ、なかなか純情ボーイだネ。」
「ケッ、からかう気も失せるわ。そろそろ寝るぞ〜、叢雲。」
そう言ってフラフラと千鳥足で立ち上がる染嶋。その傍らで脇から支える叢雲。
「ほんじゃ、ワシ等も行くかぁ。」
荒木もよっこらせ、と立ち上がり染嶋を追う。大和もクスリと笑って後ろを付いていく。
「じゃ、
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