ガンダムW
1539話
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地。
あそこで暮らしている時、俺は綾子と何度か手合わせをしている。
勿論あくまでも手合わせである以上、お互いがきちんと手加減はしてだ。
特に綾子は物干し竿を使ったりせず、俺もスライムや銃火器の類は使っていない。
だが、それでも綾子は俺に勝てなかった。
……半サーヴァントになった綾子も、聖杯戦争が終わってからは相応に修行をしていたのだろう。
実際、生身での戦いで魔法なしという条件なら、シャドウミラーの実働班の中でもかなりのレベルに達していたのだから。
だが、それでも俺には勝てなかった。
それが綾子の自信を若干ではあるが喪失させていたのも事実だ。
出来ればゼクスやノインを相手にして、自分の力を再認識して欲しい。
そんな俺の思いを知ってか知らずか、綾子は指の中にある元ネジへと力を加えて金属の形を変形させていく。
その光景は、ある意味では俺がネジを変形させるよりも衝撃的だっただろう。
俺は20代の男であり、外見も成人男性の姿をしている。……いや、一応10歳とか15歳とかにもなれるが、今は20代の姿だ。
そんな理由で俺がネジを潰すような真似をしても、一応納得は出来るのだろうが……綾子は見た目は傭兵には見えない女、それもすこぶるつきの美人だ。
ノインの想いを知ってか知らずかスルーしているゼクスにとって、綾子が美人であっても特に気にする事はないだろうが、それでも綾子が指先だけで金属をどうにかするような真似をする光景は衝撃的だったのだろう。
「ま、そんな訳で俺達に敵う相手はいないと思ってもいい。……まぁ、綾子はMSの操縦技術はまだまだだがな。……さて、それで俺に何か用事があったから話してきたと思うんだが……何の用事だったんだ?」
普通なら、この状況では何も言えないだろう。
事実、俺が威圧をしているというのは分かっているし、生身で戦いになれば向こうに勝ち目はない。
その状況で……だが、ゼクスは躊躇う事なく口を開く。
「そちらが所有しているトールギスを、こちらに渡して欲しい」
そう、告げるのだった。
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