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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■???編 主人公:???■■
広がる世界◆序章
第六十九話 ここはどこ
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 残念ながら、ミズキの頭で考えて分かるのはここまでだった。時間の謎は情報が少なすぎて解明のしようがない。まさか時間を操作する技術が存在するとは思えないが、何らかの操作がなければこの世界に歴史がある理由を説明できない。

 はーあ、とため息をついたところで、彼は誰かの視線を感じて顔を上げた。つぶらなライトブラウンの瞳がこちらを見つめている。ミズキがまばたきをすると、その瞳もまばたきを返した。
「おにいさん、だあれ」
 教会の長机の向こう側から目だけをこちらに覗かせて、その子供は尋ねた。五歳か六歳くらいの小さな女の子がミズキを凝視している。
「俺はミズキ。お嬢ちゃんはなんていうんだい」
「あたしセルカ」
 それだけ言うとセルカは沈黙した。一分くらいにらめっこした後、セルカは再びミズキに尋ねた。
「ミズキはおねえちゃんのともだちなの?」
 おねえちゃんって誰だ、と一瞬思ったが、そのライトブラウンの瞳からすぐに分かった。アリスのことだろう。
「そうだぜ。お嬢ちゃんはアリスの妹なのか。何歳かな?」
「んー、6歳。ねー、ミズキはいま何してるの?」
「いや、なんもしてねぇよ。ちょっと考えごとを、な」
「ふぅん。ひまなの?」
「まあ、暇っていえば暇だけど」
 するとセルカはぱあっと顔を明るくし、身を乗り出して顔全部を長机から上に出した。
「あのね、お父さんがてんしょくで忙しくて、おねえちゃんも外に行っちゃったから、だれもあたしのことお手伝いしてくれないの。ミズキ、ひましてるんならあたしのお手伝いして」
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