第三十七話 三年生なのでその二十一
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「寮の娘達皆いい娘達だけれど」
「先輩の後輩ですね」
「阿波野君と一緒よ」
このことはです。
「だって同じ学年だから」
「そうですよね」
「本当に誰なの?」
このことがわかりませんでした、本当に。
それで私は阿波野君にさらに聞きましたけれど。
「まあそういうことで」
「そういうことって何よ」
私は首を傾げさせるばかりでした、そんなお話を二人でしていると図書館の先生が私達のところに来て優しく言ってきました。
「あっ、図書館だからね」
「はい、わかりました」
「静かにします」
私達も応えて声を小さくさせました、そして。
私達は場所を変えました、日本の作家さん達のコーナーの近くの席に移動してそのうえでひそひそとお話を再開しました。
そこで私はまた阿波野君に聞きました。
「それ誰なのよ」
「まあまあ」
「まあまあじゃないでしょ」
「先輩そんなに気になります?」
「気にならない筈がないでしょ」
本当に気になって仕方がありませんでした。
「誰に教えてもらうのよ」
「そのうちわかってくれたら嬉しいですね」
「変な子ね」
心から思いました。
「そのうちって」
「まあまあ」
「まあまあじゃなくて、そもそもね」
「そもそも?」
「私新聞読みに図書館に入ったのよ」
このことを言いました。
「それでどうしてまた阿波野君と一緒になるのよ」
「それが縁ですよ」
「お引き寄せっていうのね」
「はい、絶対にそうです」
物凄く明るい笑顔で私に言ってきます。
「いいことですね」
「よくないわよ、そもそも図書館だから」
「本を読まないといけないですか」
「そう、特にこの図書館はね」
天理高校の図書館はといいますと。
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