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Blue Rose
第三十四話 ハウステンボスでその三

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「いいな」
「ええ、そうね」
 優花もここは小声で頷いた。
「小姑みたいだって」
「そこも変わらないな」
「きつく言ってはないわよね」
「説教臭くないな」
 言ってもというのだ、優花の場合は。
「絶対に」
「ならいいけれど」
「穏やかな言葉での指摘だな」
 優花の場合はというのだ。
「そっちだ」
「きつく言うこと、長く言うことは得意じゃないの」
 そうしたことはとだ、優花自身も言う。
「どうにも」
「そうだよな、御前は」
「何かね」
 ここでこう言った優花だった、彼女自身ワインを飲みつつ。見れば龍馬程ではないが優花も結構な量を飲んでいる。
「説教好きな人って好きじゃないから」
「きつく言う奴もだよな」
「罵倒とかはね」
「ああ、罵倒する奴っているよな」
「そうよね」
「人を汚い言葉で罵ってな」 
 こうした輩も何処でもいるものだ、日本では体育会系の世界で教師や上司、先輩が下の者にそうすることが多いだろうか。
「そういう奴いるな」
「あとお説教を好きな人は」
「大抵大した奴じゃないな」
「そう思うから」
「あれは多分な」
「多分?」
「他人の粗探しをして色々難癖をつけたがる奴だからな」
 龍馬はそうした説教好きな人種について語った。
「自分のことは見てなくてだよ」
「他人ばかり見て」
「自分は偉いと思えるだろ」
「高みに立ったと思えるから」
「言ってな、そこで何の成長もしないからな」
 自分を顧みないと反省もそこからの努力もしない、それで成長しないのだ。
「結局それでな」
「大した人じゃないのね」
「説教するよりもな」
 他人に対してだ。
「自分がどうかって見ることか」
「それが大事よね、私も」
 優花はここで自分を振り返って言った。
「自分を見ることが」
「いいことも悪いこともな、ただ」
「ただ?」
「御前は説教じゃないし他人の悪いところを見てもな」
 そして注意をしてもというのだ。
「ちゃんといいところも見て褒めたりもするし自分自身もな」
「私自身を」
「ああ、だからな」
「いいのね」
「そう思うさ、自分を見ないとな」
「成長もよね」
「しなくてな」
 そしてというのだ。
「説教しているうちに自分が駄目になるんだよ」
「自分を顧みないから」
「そうだろうな、まあ御前は違うからな」
 説教好きな輩とは、というのだ。
「自分を高みにも立てないだろ」
「偉そうな人は好きじゃないから」
「それならいいさ、それじゃあ引き続いてな」
「飲むのね」
「ああ、何かどんどん進むな」
 酒がとだ、龍馬はワインを飲みつつ言うのだった。
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