599部分:第八十六話 四柱の神々その二
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第八十六話 四柱の神々その二
「かつての戦皇アーレスとの聖戦はハーデスのそれに匹敵する、若しくはそれ以上の激しさだったとか」
「それか」
「はい、そのことですが」
「若しやと思いますが」
ムウも言葉を出してきた。
「あの時はライブラの聖衣の武具がそれぞれ使われましたが」
「そのことか」
「まさかあれは」
「そうだ。その神々の存在があったからだ」
だからこそ解放されたと。そう話すのだった。
「だからこそだ。アテナはあの武具を使うことをはじめて許されたのだ」
「それだけの力を持っている」
「その神々が」
「わかったな。どれだけ恐ろしい相手なのかを」
シオンの言葉は峻厳ささえ帯びてきていた。それだけ彼等の力をよく知っていてそれを声域にとって、何よりも人類にとって脅威と感じているということなのだ。
「そしてだ」
「我等には今アテナがおられません」
「そしてライブラの聖衣も」
「今ライブラを動かすことはできん」
シオンはこのことも話すのだった。
「御前達だけで防いでもらわなければならないのだ」
「わかりました」
最初に応えたのはサガだった。
「ではこのまま。まずはローマで」
「健闘を祈る」
シオンは今は一言だった。
「それではだ」
「では明後日に」
今度はアイオロスが言ってきた。
「我等全員で」
「向かいましょう」
他の黄金聖闘士達も応えた。彼等はそれぞれの宮に戻ると明後日の用意に入った。そのうえで次の戦いに心を向けるのであった。
その間にシオンは。また鏡の間に入った。そのそれぞれ向かい合う様に拝され無数の世界を映し出している鏡の中を覗きながら。言葉を出すのであった。
「ローマだ」
「左様か」
シオンから見て正面の鏡にあの男が出て来て応えた。
「決まったのじゃな」
「うむ、今先程決まった」
そうだと話す彼だった。その鏡の中にいる男を見ながらだ。
「シャカだけを残して全ての者でだ」
「そうか。正解じゃな」
「シャカを置いたことをか」
「わかっておる筈じゃ。防げぬことは」
男は静かな面持ちで彼に告げてきた。
「封印が解かれることはな」
「その通りだ。これは言わなかったがな」
「アーレスまで蘇るか」
「それは防げはしない」
「わかっていてあえてもか」
「そうしなければならないからだ」
声に苦いものが及んでいた。しかしそれでも言うシオンだった。
「そうだな。今は」
「その通りじゃ。今はな」
「そしてあの神々が蘇ったならばだ」
「すぐに聖域に攻撃を仕掛けて来るであろうな」
「その時のことも考えてのことだ」
シオンはあらゆることを考えて手を打っているのだと。今自ら言った。
「それが教皇だからだ」
「そうじゃったな。あの方ものう」
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