597部分:第八十五話 八つの封印その八
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第八十五話 八つの封印その八
「八大公以外にもまだ狂闘士達が残っているのでしょうか」
「まだ」
「そうだ。残っている」
「ではあの連中とも」
「また」
「そうなる。いいな」
あらためて彼等に告げるのであった。
「ローマでの戦いも激しいものにな」
「それで教皇」
デスマスクがここでシオンに対して言ってきた。
「あの連中と俺達が戦えば」
「技と技の応酬になった場合か」
「ええ、とんでもないことになりますよ」
彼はいつもとは違い真顔で言うのだった。
「それこそローマが消し飛ぶ位のことに」
「それはわかっている」
「じゃあ技は」
「しかもです」
シュラが続く。
「我等とあの者達が全てそれを行うとなると」
「ローマだけでは済まないな」
「その通りです」
シュラの声は危惧する色を含んでいた。その声で語るのだった。
「ですから。それは」
「そのことについてだが」
シオンは冷静な口調で述べてきたのであった。
「心配することはない」
「!?といいますと」
今度はアフロディーテが顔をあげてシオンに問うた。
「何故ですか、それは」
「ローマに向かうことは確かだ」
「はい」
「しかしだ。地上で戦うのではない」
それは違うというのである。
「御前達が戦うのはだ」
「そこは一体」
「地上ではないとなると」
「地下だ」
そこだというのである。
「地下に行ってもう」
「地下ではそこで」
「そうだ。そこで戦うことになる」
「だからなのですか」
アルデバランが声をあげてきた。
「地上で戦うことはないとは」
「その通りだ。そしてその地下はだ」
「地下は」
アルデバランがさらに問うとすぐに答えるシオンであった。
「神殿になっているのだ」
「神殿!?ではそこは」
「まさか」
「そうだ、アーレスの神殿だ」
まさにそれだというのである。彼等が今戦っているその神の神殿だというのである。
「ローマ帝国の時代に築かれた巨大な神殿が残っているのだ」
「ではそこに向かい」
「そうしてですか」
「戦うと」
「その目的はだ」
それについても話すシオンだった。
「ここで話そう」
「それは一体」
「何でしょうか」
「まずはだ」
またシオンの口調が変わってきた。
「サガとアイオロス以外にはこのことを黙っていたことを詫びる」
「教皇・・・・・・」
「その様なことを」
シオンの、教皇の謝罪の言葉には彼等も唖然となった。その彼等に対して話されることは。殆どの者が知らないそのことであった。
第八十五話 完
2010・1・10
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