596部分:第八十五話 八つの封印その七
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第八十五話 八つの封印その七
「シャカよ」
「はい」
「御前は残るのだ」
こう彼に告げるのであった。
「御前は残り聖域の護りにあたれ」
「畏まりました」
「他の者達で行ってもらう」
そして他の面々にはこう告げたのであった。
「よいな、その様にする」
「教皇」
ここでサガがシオンに対して問うてきた。
「御聞きしたいことがあります」
「何だ」
「何故シャカを残すのでしょうか」
彼が問うのはこのことだった。
「我等全てを向かわせてそれで何故シャカのみを残すのでしょうか」
「備えだ」
だからだというのだ。
「備えとしてだ。残しておくのだ」
「備えですか」
「出来ることならば御前達全員を向かわせたい」
これは紛れもなくシオンの本音であった。今それを言ったのである。
「しかしだ。そういう訳にもいかぬ」
「トラキアは何をしてくるのかわからないが故に」
「だからこそシャカを置いておく」
また言うのであった。
「備えとしてだ。これでわかったか」
「はい」
サガはここまで聞いたうえであらためて頷いたのであった。
「それでは。その様に」
「ではまずは一日置く」
シオンはまたしても彼等に告げた。
「その間にムウとアイオロスは身体を休めるのだ」
「わかりました」
「それでは」
「長旅の後すぐで申し訳ないとは思う」
気遣う言葉もかけてきた。
「しかしだ。今は戦いの時だ」
「はい、それはわかっております」
「無論」
それはわかっていると返す二人であった。それはである。
「ですからお気遣いは無用です」
「すぐに向かわせてもらいます」
「わかった。ではその言葉を受けよう」
二人の言葉を聞いて述べるシオンだった。そうして今度は黄金聖闘士全員に告げるのであった。
「ではローマだ」
「はい、二日後」
「あの都に」
「そこで戦いとなる。サガとアイオロスを軸とする」
その二人が軸なのだという。
「わかったな。それではだ」
「はい、それではです」
「向かわせて頂きます」
「ローマに」
「八大公は全て出て来るだろう」
まずは彼等であった。
「そしてだ。他にもいる」
「といいますと」
「それは一体」
他にもいると言われてだ。黄金の者達は顔をあげ怪訝な声を出した。そうなってしまったのにはれっきとした理由が存在していた。
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