第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 元カノ、倒します!
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・イッセーさん? 明日夏さんに千秋さんも? あの、私──」
怪訝そうにしているアーシアをイッセーは抱きしめる。
「あとで説明してやる」
「ああ。だから、いまは帰ろう、アーシア」
―○●○―
「「ふわぁ〜」」
旧校舎の廊下で、俺とイッセーは同時にあくびをしてしまう。
あくびをしてしまうのは、朝に弱い悪魔であるイッセーは当然として、俺も昨夜は無茶をしすぎたのが祟ったのか、まだ体の疲れが抜けきっていなかったからだ。
にも関わらず、俺たちはいつもよりも早く登校していた。
部長に朝早くに部室に来てほしいと言われたからだ。
イッセーはわからなかったようだが、俺と千秋は、だいたい察せた。
何度もあくびしながら歩いていると、部室の前に到着した。
「おはようございまーす」
「「おはようございます」」
ドアを潜ると、部長がソファーに座って優雅にお茶を飲んでいた。
「あら、ちゃんと来たようね。傷はどう?」
「はい。アーシアの治療パワーで完治です」
「うふ、『僧侶』として、早速役立ってくれたみたいね。堕天使が欲しがるのも頷けるわ」
あのあと、イッセーのケガをアーシアに治療してもらったあと、アーシアは部長が預かることになった。
大方、色々と手続きをするためだろう。
ふと、イッセーが部長に訊く。
「あのぉ、部長」
「なあに?」
「そのぉ、チェスの駒の数だけ、『悪魔の駒』ってあるんですよね?」
「そうよ」
「てことは、俺と同じ『兵士』って、今後あと七人も増えるってことなんすか?」
ああ、なるほど。イッセーが気にしているのはそれか。
「あ、でも、これ以上、ライバルが増えるのは〜なんてぇ、あはは──ああぁっ、冗談っス! ほんの冗談!」
本音を漏らしかけて、慌てて手を振るイッセーに言う。
「安心しろ。そんなこと気にする必要はねえよ」
「え?」
「明日夏の言う通りよ。私の『兵士』はイッセーだけよ」
「えっ、それって・・・・・・」
「人間を悪魔に転生させるとき、転生者の能力次第で、消費する『悪魔の駒』の数が変わってくるの」
部長はイッセーの後ろに回り、イッセーの首に腕を回すように腕を組み、イッセーを抱く。
「私の残りの駒は、『騎士』、『戦車』、『僧侶』がひとつずつ。あとは『兵士』が八つ」
「その八つの『兵士』で、おまえは悪魔に転生したんだ」
「お、俺一人で八個使ったんですか!?」
「それがわかったとき、あなたを下僕にしようと決めたのよ。それだけのポテンシャルを持つ人間
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