暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 元カノ、倒します!
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ブースト》!!』

 さらに籠手から音声が鳴り響く。

「大したものねぇ? 下級悪魔の分際でそこまでがんばったのは褒めてあげる。でも──」
「っ!? 力がっ!?」

 全身から力が抜けていき、その場で尻もちをついてしまう。

「──それが限界ね。下級悪魔程度なら、もうとうに死んでもおかしくないのに。意外に頑丈ね? でも、おかげでいたぶりがいがあるわ!」

 レイナーレの嘲笑いが耳に入る中、俺は──。

「──神様・・・・・・じゃダメか、やっぱ」

 いつの間にか、そう口にしていた。

「・・・・・・悪魔だから魔王か? いるよな、きっと。魔王。俺も一応悪魔なんで、頼み聞いてもらえますかねぇ?」
「何ブツブツ言ってるの? あまりの痛さに壊れちゃった?」

 レイナーレの嘲笑を聞きながら、激痛に耐えながら足に力を入れる。

「・・・・・・頼みます。あとは何も・・・・・・いらないですから・・・・・・!」

 そして、徐々にだが確実に立ち上がる。

「そんな!? 嘘よ!?」

 レイナーレは立ち上がった俺をみて、信じられないものを目にしたような顔をする。

「・・・・・・だから、こいつを──一発殴らせてください!」
「立ち上がれるはずがない!? 体中を光が内側から焦がしてるのよ!? 光を緩和する能力を持たない下級悪魔が耐えられるはず──」
「ああ、いてぇよ。超いてぇ。いまでも意識がどっかに飛んでっちまいそうだよ。でも・・・・・・そんなのどうでもいいくれぇ──てめぇがムカつくんだよォォォォォッ!!」

Explosion(エクスプロージョン)!!』

 新たな音声が鳴り響いた瞬間、籠手の宝玉が光り輝き、籠手の形状が変化した。
 そして、いままでにないほどの、強大な力が全身を駆け巡った。

「この波動は中級・・・・・・いえ、それ以上の!? あ、ありえないわ!? その神器(セイクリッド・ギア)、ただの『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』がどうして!?」

 なんのことだかさっぱりだが、レイナーレはひどく怯えているようだった。

「ひぃぃっ!? うっ、うう、嘘よっ!?」

 俺がレイナーレを睨んだ瞬間、レイナーレは光の槍を慌てながら投げつけてくる。

 バキィン!

 俺はそれを、籠手を装着した腕の横殴りで弾き飛ばす!

「っ!? い、いやぁっ!?」

 レイナーレはこちらに背を向け、逃げるように翼を羽ばたかせて飛び上がろうとしていた。
 俺は一気に近づいて、そんなレイナーレの腕を掴む。

「ひっ!?」
「逃がすか、バカ!」
「私は・・・・・・私は至高の──」
「吹っ飛べ! クソ天使ィィィィィッ!!」

 レイナーレの顔面に鋭く、拳を打ち込む!

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