暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 元カノ、倒します!
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セイクリッド・ギア》は人間にとって部に余る存在。どんなに素晴らしい力であろうと、異質なものは恐れられ、そして爪弾きにされるわ」

 アーシアの悲しげな表情と言葉が脳裏を過ぎる。

 ──悪魔も治療できてしまう力を持つような者は異教徒だと。
 ──私、友達がいないので・・・・・・。

「仕方ないわ。それが人間という生き物だもの。こんな素敵な力なのにねぇ」
「でも俺は、俺と明日夏と千秋はアーシアの友達だ! 友達としてアーシアを守ろうとした!」
「でも、死んじゃったじゃない! アッハハッ! その子、死んでるのよ? 守るとか、守らないじゃないの! あなたたちは守れなかったの! 特にあなたは! あのときも、そしていまも!」
「・・・・・・わかってるよ・・・・・・だから許せねぇんだ・・・・・・! おまえも・・・・・・そして俺も! 全部許せねぇんだ!」

 レイナーレへの、そして無力な自分への怒りが沸き上がる中、部長の言葉が脳裏を過ぎる。

 ──想いなさい。神器(セイクリッド・ギア)は、持ち主の想う力で動くの。

「返せよ」

 ──その想いが強ければ強いほど必ずそれに──。

「アーシアを返せよォォォォォッッ!!」

 ──応えてくれる。

Dragon(ドラゴン) booster(ブースター)!!』

 俺の叫びに応えるように、神器(セイクリッド・ギア)が動き出す。
 いままで鳴っていたのと違う音声が鳴り、俺の体に力が駆け巡る。

「ウオオオオオオオッ!」

 力任せに、レイナーレに殴りかかるが、レイナーレは華麗にそれを避ける。

「だから言ったでしょう? 一の力が二になっても、私には敵わないって」

Boost(ブースト)!!』

 再び音声が鳴り、俺の中の力がさらに高まる。

「デエアアアアアアアッ!」

 もう一度殴りかかるが、これも避けられる。

「へぇ、少しは力が増した? いいわ。少し遊んであげるわ」

 そう言いながら、レイナーレは光の槍を手元に作り出していた。

「フッ!」

 ズシャァッ!

「がっ!?」

 レイナーレの投げた槍が、俺の両足の太ももを貫いた!
 貫かれた太ももが、内側から焼かれるように痛かった!

「光は悪魔にとって猛毒。触れるだけで、たちまち身を焦がす。その激痛は悪魔にとってもっとも耐え難いのよ? あなたのような、下級悪魔では──」
「──それがどうした?」

 俺は光の槍を掴む。光によって手のひらを焼かれるが、構わなかった。

「こんなもん、アーシアの苦しみに比べたらァァァッ!」

 手を焼かれながらも、槍を引き抜いた。

「・・・・・・どうってことねえんだよ!」

『|Boost《
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