暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 元カノ、倒します!
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なんて、滅多にいないもの。私はその可能性にかけた。『神滅具(ロンギヌス)』のひとつ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を持つイッセーだからこそ、その価値があったのね」

 『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』か。確かに、堕天使が危険視するだけの力を持った神器(セイクリッド・ギア)だな。

「・・・・・・・・・・・・」

 千秋はどこか不安そうな表情をする。
 『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』は確かに強力だ。強力だからこそ、あらゆる危険が伴う。
 千秋はそれを心配しているのだろう。

「『紅髪(べにがみ)滅殺姫(ルイン・プリンセス)』と『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』、紅と赤で相性バッチリね」

 部長はイッセーの顔を自分のほうに向け、その頬を撫でる。

「最強の『兵士(ポーン)』を目指しなさい。あなたなら、それができるわ。私のかわいい下僕なんだもの」
「・・・・・・最強の『兵士(ポーン)』。くぅぅ、なんていい響き! これで野望にまた一歩──」

 最強の『兵士(ポーン)』という称号の響きに感慨ふけるイッセー。

「えっ?」
「あ」
「っ!?」

 刹那、部長がイッセーの額にキスした。

「お呪いよ。強くおなりなさい」
「ウォォォッ! 部長、俺、がんばります!」

 イッセーは部長のキスにテンションが高々になっていた。
 ふと、隣にいる千秋を見る。

「ぅぅ」

 若干、涙目になりながら不機嫌そうな表情をしていた。

「っと、あなたをかわいがるのはここまでにしないと。千秋と、それに新人の子に嫉妬されてしまうかもしれないから」
「嫉妬?」

 もう手遅れですよ、部長。
 千秋はすでに現在進行形で不機嫌ですし、途中から後ろにいる少女も不機嫌そうですよ。

「イ、イッセーさん・・・・・・」
「ア、アーシア!」

 背後から声が聞こえ、振り向くと、千秋と同じように涙目で不機嫌そうにしているアーシアがいた。

「・・・・・・そうですよね。リアスさん、いえ、リアス部長はお綺麗ですから。そ、それはイッセーさんも好きになってしまいますよね・・・・・・」

 この反応に言葉、どうやら、そういうことみたいだな。

「ダメダメ! こんなことを思ってはいけません!」

 あっ、マズい。

「待て、アーシア──」
「ああ、主よ。私の罪深い心をお許しを──あうぅっ!?」
「──遅かったか」

 お祈りをしようとしたアーシアは、突然、悲鳴をあげて頭を抱えて蹲ってしまう。

「ど、どうした!?」
「急に頭痛が・・・・・・」
「当たり前よ。あなたは悪魔になったのよ」
「悪魔が神に祈ったりすれば、そういうことになるから、今度からは
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